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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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葬式に行った

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 私はどちらかというと、葬式が嫌いではない。好きと言ってもいい。
少なくとも、仕事よりは好きだ。
とくに会議に比べたら、楽しいぐらいだ。

 葬式のいいところは、何もしゃべらなくていいことである。
無口な私には合っている。
通夜では、ビールと寿司が出る。
誰とも特別な会話をせず、好きなものをちょっといただいて、失礼するのは悪くない。
もちろん、結婚式のほうが明るくて楽しいが、葬式は葬式なりに、気持が落ち着いて、いい時間のような気がする。

 父の葬儀のほか、兄の葬式、親戚、知人や義理ある人の葬儀などたくさんあった。
その中で、一番思い出に残るのは、五年前、職場の部下が急死して、葬儀委員長を務めた時だ。
家族代わりだったので、大勢の人の前で何度も頭を下げた。
私はあの時たいへん疲れたが、今思えば、人間が未熟だったのかもしれない。

 その後はしばらく重要な役割を演ずるチャンスは巡ってこなかったが、先日、先輩の葬式があった。
作品名:葬式に行った 作家名:ヤブ田玄白