心をつなぐもの
心をつなぐもの その1
わたしはこれまで他人に心を配ることが多かった。
先方から何の心のお返しがなくても。
今思えばそれだけの余力が自分に有ったのだと思う。
今はどうだろう。
わたしの周りは一握りの友人を除いてそれ以外の友も知り合いもみなとことん弱っていて愛が自分に注がれるのを待っている。
ひと昔前ならわたしは差し出された掌に何某かの愛の雫を注げたであろう。
だが今は負の言葉の訴えが私の心を引きずり下ろし日々頑張るエネルギーを減少させるのを感じる。
わたしの前で泣かないで!
わたしに自分の不運をぶつけないで!
淋しいとか不安だとか言わないで!
そんな感情を持つ自分を悪いとは思っていない。
当然のことだ。わたし以外の人達はとっくに前からそうして来たのだ。
でもこれまでの自分が決してお人よしだったと後悔はしていない。わたしは自分自身が自立できる活力をもらっていたのだから。