人生×リキュール サザン・カンフォート
「だが、残念。時間切れだ」手を振って笑いながら去って行くX。
その後ろ姿を見送った彼は、料亭の玄関へと向かった。
・・・なんか疲れたな。帰ろう。
それから数年後。
小さな劇場で行われた芝居で、ある男の演技がネット上を騒がせた。
芸能界から転落したという元俳優のその男の演目は一人芝居。一人何役どころか、何十人もの役を同時にこなす多彩を極めた演技力は群を抜いていたという。
※サザン・カンフォート
アメリカを代表するリキュールと言っても過言ではないほど認知度が高い。ゴードン・ブラウン著「Classic Spirits of the World」によると、創始者はニューオリンズのバーテンダー。彼は、樽詰めの不味いバーボンを、どうにかおいしく飲めないものかと考えた末、果実味と甘味を加えて改良することでリキュールとして生まれ変わらせたのだとか。以後、禁酒法の時代を乗り越え、アメリカ人の手になるアメリカン・ティストのリキュールとして不動の人気を築き上げた。現在では、ヴァージン諸島のサント・クロア島で生産され、果実系リキュール内でのたゆまぬ地位を確保し続けている。糖蜜を蒸留したスピリッツがベースのこのリキュールは、ピーチをメインにレモンを始めとした数多くの果実エキスとフレーバーが配合されているため爽やかな甘さを感じることができる。ラベルの絵には、ミシシッピー川沿いのサトウキビ農園邸宅を描いたエッチングが起用されている。世界的にも有名なミュージシャン「ジャニス・ジョップリン」が生前、こよなく愛した酒としても有名な銘柄だ。
割るものによって立ち上がるメインフレーバーが変わるというカメレオンのような特徴を持つサザン・カンフォート。ソーダやトニックウィーター、ジンジャーエールにコーラなどの炭酸から、オレンジやグレープフルーツ、クランベリー、ライム、レモンなど各種フルーツジュースまで組み合わせによって様々な味を楽しむことが可能である。「スカーレット・オハラ」「サザン・スパークル」「カンフォート・コリンズ」「ダブルレインボー」といったカクテルもソフトドリンクを組み合わせた飲みやすさだ。
作品名:人生×リキュール サザン・カンフォート 作家名:ぬゑ