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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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すこし気が早いかもしれないが・・・

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 帰宅するとまた行きたくなるのだが、しょっちゅう行くわけにいかない。
軽井沢以外の身近な場所でボーっとする必要がある。
研究の結果、自宅の小さな庭先に、古い折りたたみ簡易長椅子を置いて、その上に仰向けに寝転がることにした。

 仰向けに寝て、空を見上げることが重要なポイントである。うつ伏せになると、何も見えないし、息苦しくなる。
木の葉がサワサワ擦れる音がして、青い空に白い雲がたなびいていると、それだけで軽井沢にいるような気分になる。

 ところが、今年の正月は寒くて、庭に出ることができなかった。
私が風邪をひいたら、大勢の人々に迷惑がかかるだろう。

 私は「ハンペンのバター焼き」をさかなに一杯飲んでいた。
猫がそばに来たので、聞いてみた。
「来年の正月は軽井沢に行こうか?」
猫はハンペンのほうに関心があるらしく、来年のことはどうでもいいようだった。