通勤は戦いだ
大きな駅では、乗り換えの人が必ずいるものだ。
誰が乗り換えるか、あらかじめ見当つけるのはそれほど難しいことではない。
次の駅で降りる場合、必ず、身体の動きか顔の表情、特に目の動きでそれがわかるものだ。何となく落ち着きがなくなると言っていい。
ただ、そうやって見当をつけても空フリに終わる場合もある。もともと落ち着きのない人が座っていた場合だ。
駅が近づくと私の全神経は座席の人たち(七ー八名)の身体と目の動きに集中する。
それだけではない。後ろの座席の動きにも気を配る。
私の目は普通の人と同じで、前方しか見ることができないが、まるで背中にも目がついているように、後ろの座席の気配を感じとることができる。
長年、通勤電車に乗っているうちに身に付けた高等技術だ。