「猫」
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「猫」の性格は大きく分類すると六種類らしい
甘ったれの寂しがり
のんびりとして大人しい
敵対的で友好的 挙句(あげく)、気分屋
小聡明(あざと)く賢(かしこ)い悪戯(いたずら)っ子(こ)
穏やかで優しく、社交的でさくい
其(そ)の、何(ど)れも当て嵌(は)まるようで
其(そ)の、何(ど)れも当て嵌(は)まらないような気がする
遣(や)る時は遣(や)る
遣(や)らない時は遣(や)らない
其(そ)の飄飄(ひょうひょう)とした性格の少年に少なからず
誰も彼も振り回され、誰も彼も魅かれていた筈だ
そんな「奴(やつ)」が転校生である自分に
休み時間の時といい
移動教室の時といい付かず離れず傍(かたわ)らにいるのだ
少年の行動に誰も彼も「無関心」ではいられない
何時(いつ)しか同級生との会話が増える
何時(いつ)しか同級生との放課後の約束が増える
何時(いつ)しか少年の姿を知らず知らず探す自分に気が付く
其(そ)れでも今いる場所に
共感等、持てない自分は
興味等、持てない自分は此処(ここ)にいるべき人間ではないと思っていた