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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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醜女と野獣

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 野獣の姿をした城主のことを本当に愛する者が現れ、その女性がその呪いを城主から自らに乗り移らせる決心をした時、その魔法は解けるのでした。
「野獣の姿をしたお前のことなど、誰にも愛せるはずがあるまい!」
と言って、魔女は笑いました。
 これこそが魔女の策略だったのです。世界中の誰もが、恐ろしい姿をした城主を愛することなどないと信じていたのです。そして城主がその醜い姿に絶望すれば、元に戻れるように魔女を愛すると誓うようになると考えたのでした。そしてその呪いが自分に移れば、恐ろしい魔女でも、本来とは全く反対の自分になれるに違いないと考えていました。

 そこに旅の娘が現れては、計画が台無しです。
「私がこの人を愛しているわ!」
娘は毅然とした態度で叫びました。
「そんなことは許さ~~~ん!!!」
魔女はその魔力で稲妻を落とし、娘を殺そうとしまた。しかし、野獣の城主が身を挺して彼女を守りました。自分の命を投げうってまで。
こんなこと、魔女には信じられません。
「なぜそんな醜女(ブス)のために、お前は命を投げ出すのか?」
と城主に聞きました。すると野獣の顔をした城主は、穏やかな表情でこう言いました。
「お前には、この女性の美しい心が見えないのか」
 魔法使いは、この見た目の恐ろしい野獣より、その腕の中で守られるものすごいブスより、自分は醜いのだと悟り、自らの稲光に焼かれ、煙となって消えてしまいました。

 その瞬間、お城は神々しい光に包まれました。その装飾や調度品は輝きを取り戻して、暖炉やろうそくに明かりが灯り、とても暖かく明るい空間となりました。魔法をかけられていた召使いたちも皆、人間の姿に戻ったのです。

 そして、その光の中には城主と娘が抱き合っていました。

 まばゆい光が落ち着くと、城主は呪いの魔法が解け、ハンサムな王子に姿を変えていました。自らの腕に抱く娘には、呪いの魔法が乗り移り、彼女は正反対の姿に変わっていました。
 王子は彼女の手を引いて、鏡の前に連れて行きました。そこに映る以前の醜女(ブス)は今、世界一の美女になっていたのです。

     めでたしめでたし・・・


と、なるはずでしたが、

作品名:醜女と野獣 作家名:亨利(ヘンリー)