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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ちょっと高すぎたのではないか

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 もちろん、たくさんの懐かしい人たちに会った。
皆、あのころは私が教えてやった若い医者だったのに、今は皆、成功して金持ちになっている。
私はようやく何人かの後輩たちに、
「定年になって退職したら、時間ができるから、何か手伝う事があったら遠慮なく言ってくれよ。少しは役に立てるかもしれないからネ」
などと、遠慮がちに売り込んだだけである。

「でも先生、元気そうで嬉しいですヨ。今なんとかやっていけるのは、先生のお陰です。今度、先生と一緒に仕事ができたらいいナア」
などという言葉をまともに受けていいものかどうか惑いながら、閉会の言葉が終わると、いつの間にか降り出した雨の中、夜の町へ出たのであった。