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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ちょっと高すぎたのではないか

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 会場は狭かった。
人でごった返していた。
たぶん、主催者は出席人数の読みを間違えたに違いない。
あとでこっそり聞いたら、「最初二十人か三十人かと思っていたんですが、イヤ、意外にたくさん来てくれたので驚きました」と言っていた。

 そうなのだ。あの部屋は二十-三十人用、あるいは一五-二十人用の部屋だったのだ。そこに七十-八十人が詰め込まれたのである。
人にぶつからないように、人波をかきわけないと、目的の人物まで到達できないもどかしさがあった。

 料理はビュッフェだった。
二万円ということは、もしかすると丸テーブルで決まった席に落ち着いて座って、ゆっくり食べられるのではないか、と期待していた。
テーブルなどどこにもない。人がゴチャゴチャいて、あとは壁の前にステーキや蕎麦、おでんのコーナーがあるだけだった。
寿司コーナーがないのはどういうわけなのか? 寿司職人が休みだったのだろうか?

 偉い先生方のあいさつが延々と続き、ようやく終わってすぐにステーキの列に並んだ。
素早い動きの人はたくさんいるものだ。
十分ぐらい並んでようやく美味しいステーキを頬張ることができた。
寿司がないので、米を食べようと思ったが、カレーしかない。
最近カレーは胃にもたれるので敬遠しているので、仕方なくパスタを少しいただいた。
その程度であとは甘いものとフルーツ。それだけだった。
なんかとっても二万円が惜しかった。