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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ちょっと高すぎたのではないか

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 十粒ぐらいピーナツを食べた頃、バッグの奥のほうからビニール袋を取り出した。
袋の中からカンが出てきた。
〈ア、この人、カンビールを飲むのだろうか? 人は見かけによらない〉と思った。
ところが違った。
見たことのないカンだった。金色の模様がきれいだった。
それは「ハイボール」だった。

 オシャレな人なのだろう。
ビールではなくて、カンチューハイでもなく、ハイボールなのだ。

 彼もゴルフの帰りに違いない。
しかし、四人一緒ではない。
何らかの理由で他の三名とは行動を別にして、一人静かにハイボールを楽しんでいる。
〈どういう性格なのだろう。奥さんは美人なのだろうか? 子供たちは立派に成長しているだろうか? 飼っているのは犬だろうか? それとも私と同じように猫だろうか?〉

 木曜日にゴルフできるのはまことに羨ましい。
〈皆、いい生活してるナア。こういう人にとっては、人身事故で帰りの電車が止まるのもいい教訓だろう〉と思った。