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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ちょっと高すぎたのではないか

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 半年前、当直の時、黒いジャケットの水商売風の男に名刺を渡したことを思い出したからだ。(『話のわかるクレーマーでよかった』参照)
すぐに電話口に出て、前回のようにこちらから名前を名乗ろうと思った。

 ところが、Y先生とは、私のことではなく別の医者だった。
その電話は「ウルセエ! Yをブッ殺してやる」と言って切れたという。
〈ただごとではない。今夜こそ大事件が起こるだろう。最後の夜間院長に相応しい夜になるかもしれない〉

 私は興奮に胸を高鳴らせて一一時ごろ当直室のベッドに入ったが、そのまま朝になった。
私もY先生もブッ殺されることなく、最後の「夜間院長」は無事に終わった。