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静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑥びわ湖一周の旅(滋賀県)

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■旅の4日目(6月11日)木之本(湖北)→小谷城→帰宅
 パシッパシッとキャンピングカーの屋根に当たる雨音で目が覚めた。夜半過ぎから、強い雨が降り始めたようだ。外はまだ暗い。バンクベッドの小窓から雨は降り込んでいないが、念のため閉めて、再び眠りに就いた。
 旅の最終日は雨。「キャンピングカーの旅」で目覚めた朝が晴れていると、それだけでも元気が出るのだが、雨が降っていると、爽快な気分はどこへやら。念のため、「朝のルーティーン」で調べても、残念ながら雨で、夕方からは上がりそうな予報だった。
 先ずはコーヒーを飲みながら、朝食は何にしようかと考えた結果、卵焼きを作って、ウィンナーも温めて、パンに挟んで・・・、マヨネーズが欲しかった。最後に、コーヒーをもう一杯飲みながら、道の駅のショップの開店時間を待った。

 土産に、というよりは、持ち帰って妻に料理をしてもらうのだが、稚鮎を2パック買って道の駅を出発。塩津バイパス(R8)を南下し始めた。
 実は昨日、びわ湖の湖北の「奥びわ湖パークウェイ」やその他の湖畔の道路を走りたかったが、既に日が落ちていて、今にも雨が降りそうだったため、道の駅「マキノ追坂峠」から最短距離で、この道の駅に向かった。それならば今日、行ってみようと思っていたが、雨。その道を走っても美しい湖の景色は見られないため、別の機会に、もう一度、来ることに決めた。
 昨日のメタセコイアの並木道でも、「もう一度、来る」と思ったように、「キャンピングカーの旅」ならではの自由な旅が、そう思わせるのだろう。それもいい。

 走りながら見えたびわ湖は、やはり雨で霞んでいた。その景色が今回の旅の最後のびわ湖の情景になってしまった。

 酒をこよなく愛する息子の土産探しにと、R8と北国街道(R365)の分岐点の宿場町として栄えた木之本(きのもと)に向かった。戦国時代はそこを、多くの武士や足軽が通過したのだろう。古い街並みの老舗の、大きな杉玉が下がっている造り酒屋に入った。その店内は、コンビニとは真逆の雰囲気で、それが心地よく、色々と迷いながら、地酒の純米酒を買った。
 古くは、日本酒の造り酒屋の軒先に吊るされた「緑の杉玉」は、新酒ができたことを知らせるものだったが、今は、「茶色になった杉玉」が年中、吊るされており、造り酒屋のシンボル的な存在の様だ。
 造り酒屋から出て、改めて、この木之本の街を見渡すと、雨の日だからという理由もあったのだろうが、静かに歴史を感じる街並みだった。

 その後は、昨夜作った旅程どおりに、伊吹山地の麓のR365を走り、「小谷城(おだにじょう)戦国歴史資料館」に向かった。そぼ降る雨の中、小谷山の麓の谷間に、その歴史館は静かに佇んでいた。
 小谷城は戦国時代、北近江を治めた浅井氏三代の居城であり、三代目の城主の長政は、信長の妹(お市の方)と夫婦になり、茶々、初、江の三姉妹に恵まれるも、信長の朝倉征伐で、朝倉氏に援軍を送ったことから、後年、秀吉に攻められ落城、浅井家は滅亡した。その後の三姉妹の行く末までの歴史をじっくりと1時間以上掛けて学んだ。残念なことに、小谷城への道は雨でぬかるんでおり、気軽に城跡まで登れる状況ではなく諦めた。

 そして、その少し先の「あねがわ温泉」に立ち寄り、3泊4日目の体をいたわり、帰路に向けての活力を取り戻した。
 その後、道の駅「浅井三姉妹の郷」に立ち寄ると、ショップの前の三姉妹の像には、“今”を象徴するかのような、コロナ感染防止のマスクが掛けられていた。

 それからも下道を走り続け、関ケ原、岐阜、名古屋、岡崎を抜け、夕方の渋滞に巻き込まれた豊橋を抜けると静岡県、そして自宅に戻ったのは午後9時過ぎ、満足したひとり「キャンピングカーの旅」が終わった。

 最終日の歴史探訪は、「小谷城戦国歴史資料館」でじっくりと学んだ浅井氏の歴史だった。それに、街角から突然、数人の足軽が出てきそうな、タイムトリップしたような木之本の佇まいが気に入った。