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桐生甘太郎
桐生甘太郎
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八人の住人

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105話 悠君大暴れ






おはようございます、五樹です。皆様お久しぶりです。


今回の主人公は、「悠」と、「時子」になります。


近頃、時子は体調の悪い日ばかりです。新しい病院にはまだ行けていないし、PTSDに対処するカウンセリングも、新しい先生を探そうと話が落ち着いてから、何もしていません。

日々に不安要素が多いからか、もしくは心の「凍りつき」が解けて、恐怖が表面化したからか。

時子は夜に眠るのを酷く怖がるようになり、眠らないようにと、コーヒーを飲んだりするようになってしまいました。

それで、2時間や3時間の睡眠時間で毎日に取り掛かり、食事は、時子の大好きなジャムサンドだけ。そんな事をしていた頃、「悠」が現れました。


悠は初め、10分ほど出てきては、すぐに眠ってしまっていましたから、僕から見ると偶発的な物に見えていました。でも、どうやらそうではないらしいと分かったのです。


この頃の悠は、2時間3時間平気で表に出ていて、勝手にスマートフォンで動画サイトを見つけて猫の動画を開いたり、お菓子を見つけて食べたりしていました。

僕「五樹」や、時子の夫、それから時子の叔母などが、悠に教えた事をここに挙げます。

・トイレから出たら手を洗う事

・食事の前には青汁を飲む事

・YouTubeではなく、YouTubeキッズから「どうが」を観る事

・Twitterであまりたくさんつぶやいてはいけない事(悠は、Twitterの事を、「おはなしするきかい」と言っています)

・コップに入った飲み物をそのまま冷蔵庫に入れてはいけない事

・お風呂場に「おでんわ(スマートフォン)」を持ち込んではいけない事

まだまだあります。とにかく悠がたくさん出てくるようになってから、彼は7歳ですから分からない事だらけで、僕達はヒヤヒヤしながら、色々と教えています。

そんなこんなで僕達は悠への対処にとても忙しく、小説を更新出来る日があまりありませんでした。

ですが、悠が出てくるようになって「良かったな」と思う事もあります。


悠はただの子供で、ストレスもあまり抱えていない人格のようなので、ストレス性の不調を訴えません。

つまり、不眠症ではないし、たくさん食べられるし、なんなら、ストレス性の腸痙攣が起きていた時には、それを何もせずに収めてしまったほどです。

僕達交代人格は皆、ストレスによって不調を訴えます。僕は不眠症ですね。

でも、悠にはそれがないらしく、しっかり食べて、昼寝もするし、夜もちゃんと寝ます。トイレには起きますが。

頼りになる奴だなあと思いながらも、時子の事は心配です。

悠が頻繁に出てくる状況を目の前にしている時子は混乱気味ですから、そちらも気遣ってやらなければいけません。


何にせよ、新しい病院で上手くいけば、PTSDへの治療がなされるので、時子も不安はなくなっていくでしょう。


最後に、今朝、悠が食事が終わった時に言っていた事を書きます。

悠は、「時子ちゃんは朝にこの薬とこの薬とこの薬を飲むんだよ」と教えられましたが、それは、10錠以上の錠剤と、2包の粉薬でした。それを知って悠は叫びます。

「こんなに飲むの!?時子ちゃん、大変な病気なんだねえ、早く治さなくちゃいけないねえ。悠君いっぱい食べて、毎日お風呂入るよ!そしたら治るでしょ?」

僕は、思い出すと泣きそうになります。「悠」も、時子を思いやっている。こんなにも。嬉しいです。


僕達はいつも君の心配をしていて、君に幸せになって欲しい。願いは必ず届けます。


久しぶりの更新を前向きに終えられて良かったです。皆様もストレスの溜め過ぎには気を付けて下さいね。それでは、また。




作品名:八人の住人 作家名:桐生甘太郎