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『11』は二人のラッキーナンバー ~掌編集 今月のイラスト~

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「ふふふ、でも長髪だったらわからなかったかも」
「伸ばしてみたこともあるんだよ、でも全然似合わなくてさ」
「先輩はその方がカッコいいですよ」
「カッコいいかぁ? ずんぐりむっくりだし全然モテないけどなぁ」
「そんなことないです、気は優しくて力持ちって感じで頼もしくてステキですよ……彼女とかいるんですか?」
「いや、いないよ、言ったろ? モテないって」
「じゃあ、私にもチャンスありますね!」
 彼女は両手に立てたポッキーを振って嬉しそうに笑ってくれた……。

▽   ▽   ▽   ▽   ▽   ▽   ▽   ▽

 とまあ、そんなわけであの日俺は『彼女いない歴=年齢』から卒業できたんだ。
 あれから3年半……大学卒業祝いだって言って彼女を思い切り奮発したレストランに誘って、その時に『これ、受け取ってもらえる?』って指輪を差し出したら涙を流して頷いてくれた。
 2011年3月11日、あの時は生き延びるのに必死で運命の出会いだなんて思わなかったけど、11年後の11月11日の再会ってのには運命的なものを感じるね。
 で、それ以来11は俺たち二人のラッキーナンバーになったんだ。
 指輪を左手の薬指に通した時、『子供は11人欲しいわ』なんて言われたんだけどさ、さすがにそれは冗談だよな……。