2004年12 月、今までの常識は間違いだったようです。
《2004年12月》
今まで聞いていた常識は、事実と少し違うようです。
ワシントンの桜、クーベルタン男爵やリンカーンの言葉…等々
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◆12月4日/今までの知識…どうも違うようです《1》
●ジョージ・ワシントンと桜の木の話は ➡ 創作…
米国建国の父・初代大統領のワシントンと言えば、桜の木の逸話がつとに有名。日本の教科書にも載っているくらいで、我々はその話を何の疑いもなく本当の話だと思っていました。
「ウソをつかない子どもは将来立派になる。」との教えであるでしょうが、それが作り話だったとは、何だか笑えませんね。
もちろんワシントン自身は正直者だったのでしょうが、没後に出版された本に、ある神父さんが創作して、その話が書かれているらしいのです。( そう言えば、数ヶ月前の『トレビアの泉』でも紹介されていたような。)
●カレーはインド料理 ➡ インドにカレーはない…
日本の子どもたちに大人気のカレーライス。『インドカレー』と言うくらいで、インドから伝えられた料理だと誰もが思っているでしょう。ところが、インド人に言わせると、日本でのカレーは日本料理の一つと言うらしいのです。
食材の「具」の意味で「カリ」と呼ばれる言葉はあっても、カレーと言う言葉はインドにはないらしい。カレーに相当するもので「マサラ」と言う言葉があって、それは香辛料を調合した調味料の総称…となっています。
日本の醤油にあたり、「醤油料理」の言葉が無いように、「マサラ料理(カレー料理)」 はないとの事。
英国のインド風シチューを、日本人が好みに合うように改良した?洋風和製料理がすっかり定着しました。ご飯にかけるのも日本独特の食べ方。インドカレーとは、日本の商品名だったのです。
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◆12月8日/今までの知識…どうも違うようです《2》
●クーベルタン男爵の言葉は ➡ 他人の言葉…
今年のアテネオリンピックは、日本チームにとって記録的な大会になりました。面白いようにメダルを取って、本当に世界各国の一流選手の集まりか…と、疑わしかったほどです。
オリンピックと言えば、あの有名な「勝つ事ではなく、参加する事に意義がある。」との言葉。これは何の疑いもなくクーベルタンの言った言葉と思っていました。しかるに、実話は違ったようです。
第4回のロンドン大会の頃、当時の英国と米国は感情的な対立があり、険悪ムードが漂っていました。大会前にセントポール寺院での日曜ミサで、英国・国教会の主教があの言葉で米国選手達を諭したのだと言う。それを聞いたクーベルタン男爵は、えらく感動して、数日後のパーティーで披露したとの事。
クーベルタン男爵本人は、その時「誰々の言葉を引用した…。」と言ったかどうか不明ですが、その言葉はオリンピックの理念として、すっかり有名になりました。
さてさて、元々の発言者の名前は、『タルボット主教』と言う方らしい。もちろん私も知りませんけどね。
●ハッピーバースデー、誕生日の歌は ➡ アメリカ生まれ…
世界で最も有名な歌の一つ ・♪ ハッピーバースデー・トゥ・ユー ♪。
昔からの由緒ある歌で、歌い継がれている感じがします。しかも、英国あたりが発信地かとも思えるくらいですね。
元歌は、米国・ケンタッキー州のヒル姉妹と言う二人が作った曲で、70年くらい前の地元幼稚園の合唱歌で、「皆さん、おはよう」とのタイトルが付いていたとの事。もちろん著作権登録は済んでいましたが、当時の歌集出版の際に無許可で誕生祝の歌詞に変えられて発表されたようです。
当時は著作権に対しては今ほど厳しくなかったようで、作者の抗議も空しく、すぐに誕生日の歌として定着。そのメロディーが歌いやすく覚えやすい事から、すぐに広まったらしいのですが、聞いてみないと分かりませんね。
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◆12月15日/今までの知識…どうも違うようです《3》
●禁断の木の実、リンゴは ➡ 聖書での書き換え…
アダムとイヴで有名なリンゴ。ヨーロッパでは、実りの象徴として妊婦が食べると丈夫な子どもがたくさん授かるとも言われています。神話や伝説にも登場することも多いのです。
二人は、そのリンゴを食べたために楽園を追放されますが、聖書が書かれ始めた当時のパレスチナ地方には、リンゴの生育はありえません。 当初の聖書には、木の実の名前の記述はない…のが真相のようです。(聖書には当初の記述はなく、想定として、アンズかイチジク説が有力。)
それでは、なぜリンゴになったか。禁欲的なキリスト教思想が、独断と偏見で聖書を書き換えた…古代ギリシャではリンゴは愛のシンボルだったので、そのイメージを利用したのでしょう。
●軽食のサンドイッチは人名は➡ 本当は地域の名称…
250年ほど前、英国のジョン・モンターギュ伯爵が住んでいたのがケント州のサンドイッチと言う領地。サンドイッチに居る伯爵と言うことで、サンドイッチ伯爵と呼ばれました。(肩書きのようなものでしょう。)
モンターギュ伯爵はカードが大好きで、食事をする時間も惜しんで、パンに具をはさんだ簡易食を愛好したことで有名。しかし、その料理スタイルもローマ時代からあったようで、ことさら初めてでもなかったのです。
軽食片手にカードに興じる熱心さに、周りが「からかい」の意味でその軽食をサンドイッチと呼んだのです。実際は人名ではなく、地名からのニックネームだったのですね。
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◆12月20日/今までの知識…どうも違うようです《4》
●バチカン市国は ➡ 世界一狭い国ではない…
日本の皇居の3分の1ほどの広さ、ローマ市内にあるバチカン市国は世界最小の国として有名です。ところが、さらに小さな国が存在します。本当かと思えば、法制上とは言え確かに存在するのです。
何しろ国土がないので認識されないのが当然ですが、その名は『マルタ騎士団国』。人道主義を掲げる国土を持たない特殊な国です。国連ではオブザーバー資格を有し、切手や旅券も発行。84カ国とも外交関係を結んでいるらしいのです。
もともと第一次十字軍遠征の時に発足した宗教騎士団で、長い間領地も保有していましたが、18世紀末にローマ修道会に改組され、領地を失っています。
その後ローマ市内に拠点を置いて、形だけではあっても国としての活動を続けているとの事。
資料には代表者も人数も書いてありませんが、インターネットで調べた結果、パレスチナに発足した『聖ヨハネ騎士団』が元々の名前。ロードス島からマルタ島へ追われた後に、ナポレオン遠征の際に領土を失った…と記録にありました。
今はローマ市内の1建物に事務的拠点があるらしいのですが、ちなみに、日本との国交はありません。
●リンカーンの、あの演説は ➡ 他人の言葉…
今まで聞いていた常識は、事実と少し違うようです。
ワシントンの桜、クーベルタン男爵やリンカーンの言葉…等々
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◆12月4日/今までの知識…どうも違うようです《1》
●ジョージ・ワシントンと桜の木の話は ➡ 創作…
米国建国の父・初代大統領のワシントンと言えば、桜の木の逸話がつとに有名。日本の教科書にも載っているくらいで、我々はその話を何の疑いもなく本当の話だと思っていました。
「ウソをつかない子どもは将来立派になる。」との教えであるでしょうが、それが作り話だったとは、何だか笑えませんね。
もちろんワシントン自身は正直者だったのでしょうが、没後に出版された本に、ある神父さんが創作して、その話が書かれているらしいのです。( そう言えば、数ヶ月前の『トレビアの泉』でも紹介されていたような。)
●カレーはインド料理 ➡ インドにカレーはない…
日本の子どもたちに大人気のカレーライス。『インドカレー』と言うくらいで、インドから伝えられた料理だと誰もが思っているでしょう。ところが、インド人に言わせると、日本でのカレーは日本料理の一つと言うらしいのです。
食材の「具」の意味で「カリ」と呼ばれる言葉はあっても、カレーと言う言葉はインドにはないらしい。カレーに相当するもので「マサラ」と言う言葉があって、それは香辛料を調合した調味料の総称…となっています。
日本の醤油にあたり、「醤油料理」の言葉が無いように、「マサラ料理(カレー料理)」 はないとの事。
英国のインド風シチューを、日本人が好みに合うように改良した?洋風和製料理がすっかり定着しました。ご飯にかけるのも日本独特の食べ方。インドカレーとは、日本の商品名だったのです。
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◆12月8日/今までの知識…どうも違うようです《2》
●クーベルタン男爵の言葉は ➡ 他人の言葉…
今年のアテネオリンピックは、日本チームにとって記録的な大会になりました。面白いようにメダルを取って、本当に世界各国の一流選手の集まりか…と、疑わしかったほどです。
オリンピックと言えば、あの有名な「勝つ事ではなく、参加する事に意義がある。」との言葉。これは何の疑いもなくクーベルタンの言った言葉と思っていました。しかるに、実話は違ったようです。
第4回のロンドン大会の頃、当時の英国と米国は感情的な対立があり、険悪ムードが漂っていました。大会前にセントポール寺院での日曜ミサで、英国・国教会の主教があの言葉で米国選手達を諭したのだと言う。それを聞いたクーベルタン男爵は、えらく感動して、数日後のパーティーで披露したとの事。
クーベルタン男爵本人は、その時「誰々の言葉を引用した…。」と言ったかどうか不明ですが、その言葉はオリンピックの理念として、すっかり有名になりました。
さてさて、元々の発言者の名前は、『タルボット主教』と言う方らしい。もちろん私も知りませんけどね。
●ハッピーバースデー、誕生日の歌は ➡ アメリカ生まれ…
世界で最も有名な歌の一つ ・♪ ハッピーバースデー・トゥ・ユー ♪。
昔からの由緒ある歌で、歌い継がれている感じがします。しかも、英国あたりが発信地かとも思えるくらいですね。
元歌は、米国・ケンタッキー州のヒル姉妹と言う二人が作った曲で、70年くらい前の地元幼稚園の合唱歌で、「皆さん、おはよう」とのタイトルが付いていたとの事。もちろん著作権登録は済んでいましたが、当時の歌集出版の際に無許可で誕生祝の歌詞に変えられて発表されたようです。
当時は著作権に対しては今ほど厳しくなかったようで、作者の抗議も空しく、すぐに誕生日の歌として定着。そのメロディーが歌いやすく覚えやすい事から、すぐに広まったらしいのですが、聞いてみないと分かりませんね。
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◆12月15日/今までの知識…どうも違うようです《3》
●禁断の木の実、リンゴは ➡ 聖書での書き換え…
アダムとイヴで有名なリンゴ。ヨーロッパでは、実りの象徴として妊婦が食べると丈夫な子どもがたくさん授かるとも言われています。神話や伝説にも登場することも多いのです。
二人は、そのリンゴを食べたために楽園を追放されますが、聖書が書かれ始めた当時のパレスチナ地方には、リンゴの生育はありえません。 当初の聖書には、木の実の名前の記述はない…のが真相のようです。(聖書には当初の記述はなく、想定として、アンズかイチジク説が有力。)
それでは、なぜリンゴになったか。禁欲的なキリスト教思想が、独断と偏見で聖書を書き換えた…古代ギリシャではリンゴは愛のシンボルだったので、そのイメージを利用したのでしょう。
●軽食のサンドイッチは人名は➡ 本当は地域の名称…
250年ほど前、英国のジョン・モンターギュ伯爵が住んでいたのがケント州のサンドイッチと言う領地。サンドイッチに居る伯爵と言うことで、サンドイッチ伯爵と呼ばれました。(肩書きのようなものでしょう。)
モンターギュ伯爵はカードが大好きで、食事をする時間も惜しんで、パンに具をはさんだ簡易食を愛好したことで有名。しかし、その料理スタイルもローマ時代からあったようで、ことさら初めてでもなかったのです。
軽食片手にカードに興じる熱心さに、周りが「からかい」の意味でその軽食をサンドイッチと呼んだのです。実際は人名ではなく、地名からのニックネームだったのですね。
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◆12月20日/今までの知識…どうも違うようです《4》
●バチカン市国は ➡ 世界一狭い国ではない…
日本の皇居の3分の1ほどの広さ、ローマ市内にあるバチカン市国は世界最小の国として有名です。ところが、さらに小さな国が存在します。本当かと思えば、法制上とは言え確かに存在するのです。
何しろ国土がないので認識されないのが当然ですが、その名は『マルタ騎士団国』。人道主義を掲げる国土を持たない特殊な国です。国連ではオブザーバー資格を有し、切手や旅券も発行。84カ国とも外交関係を結んでいるらしいのです。
もともと第一次十字軍遠征の時に発足した宗教騎士団で、長い間領地も保有していましたが、18世紀末にローマ修道会に改組され、領地を失っています。
その後ローマ市内に拠点を置いて、形だけではあっても国としての活動を続けているとの事。
資料には代表者も人数も書いてありませんが、インターネットで調べた結果、パレスチナに発足した『聖ヨハネ騎士団』が元々の名前。ロードス島からマルタ島へ追われた後に、ナポレオン遠征の際に領土を失った…と記録にありました。
今はローマ市内の1建物に事務的拠点があるらしいのですが、ちなみに、日本との国交はありません。
●リンカーンの、あの演説は ➡ 他人の言葉…
作品名:2004年12 月、今までの常識は間違いだったようです。 作家名:上野倫五