早朝の、シャッター通りな商店街で…
どうすれば良い?
「謎は深まるばかりだねぇ」
立ち上がって腰に手を当てたポーズを取った樹由さんは、<雪だるま>を見下ろしました。
いつの間にか近づいていた真瑠さんが、その背中のちょうど真ん中あたりを指で突きます。
「私たちは── どうすれば良い?」
「放っておこう」
「それで…いいのかなぁ……」
「じゃあ、どうする?」
「─ どこかに通報するとか。マスコミとか、警察に」
「多分 いたずらだと思われて、説教されるかスルーされる気がする」
「── じゃあ、写真に取って、SNSにあげるとか!」
「『そこまでして注目浴びたいか?』と炎上するか、無視される未来が見える」
「───」
「ここに<雪だるま>なんか、ありませんでした☆」
「え?!」
「なので私たちは、予定通りに商店街を通り抜け、駅から電車に乗ってショッピングモールに遊びに行きました。以上」
「…そうしようか」
「うん♪」
作品名:早朝の、シャッター通りな商店街で… 作家名:紀之介