2004年9 月、台風の当たり年でした。
そして、最後の備えとして“彼岸花”をとっていました。彼岸花は球根なので、タンポポのように種子が飛んで遠くに移動するような事はなく、せいぜい1~2メートル単位での増えるのでいつも大体同じ場所に咲く花と言えます。
彼岸花は、もともとセイタカアワダチソウなどと同じように、渡来植物とあります。いつ頃、どんな形で渡来したのかはっきりしません。その球根にはアルカロイドという毒素が含まれているらしく、それでは食用にはならないのでは…と思いますが、水でさらせば溶けて無毒になるらしいのです。
思うに、そんな結論を得るまでには結構な犠牲者も出た事でしょう。どんなものでも最初に食べた人は偉い。また、食べざるを得なかった状況もどこか悲しいですね。
そんな考え方で、改めて彼岸花を見てみると、何だか花の見え方が違ってきます。
曼珠沙華…と言う名前は仏教に由来するような雰囲気もあるし、もしかしたらインド・東南アジアあたりから渡来したのかも知れません。
作品名:2004年9 月、台風の当たり年でした。 作家名:上野倫五