2004年2月、そろそろ道州制の話題が出ています。
都会地と違い、他の交通機関がほとんど無いような地方地域は、それまでJRが足として利用されてきました。しかし、JR側は新幹線建設の条件として、採算性の無いローカル線を第3セクターに移行する事で、地方の新幹線を何とか維持する考えのようです。しかも、その建設費用は国が3分の2、自治体が3分の1となっています。
開通の恩恵を受ける一部の地方都市のために、大部分の自治体が泣き寝入りを余儀なくされている…そんな事で国民が便利になったと本当に喜ぶのか疑問が大きいのです。最初から全く採算性がないと分かっている第3セクターの鉄道も哀れですね。
まず建設ありき…と言った姿勢は、夢ばかり追って結局は赤字を垂れ流している地方空港を思い出します。作ったは良いが、その運営に苦慮している地方の空港は、どうしても必要な離島の空港とは異なり、全くのお荷物ではないでしょうか。
新幹線が来ない地域の在来線は、何とかそこそこ運営出来るでしょうし、JRも手放しはしないでしょう。今のままでは、地方都市の負担のほうが大きい新幹線建設は必要なし…かも知れません。
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◆2月22日/なんと、成長率7%…だって?
昨年暮れの3ヶ月間 (10月~12月)の日本経済実質成長率が7%と言う調査結果が出ています。オイオイ、どこからそんな数字が出てきたのか!と耳を疑う数字でしょう。0,7%ならまだしも、まるで中国の成長率ではないですか。わずか3ヶ月間の数字とは言え、現状の日本では奇跡に近いと言うよりありません。
昨日の朝日新聞は、そのほとんどが中国景気のおかげだと書いています。日本経済の衰退の象徴であるかのような「重厚長大」産業と言われて久しい鉄鋼・船舶運輸などが、現在の中国の建設ラッシュに大きく関与しているおかげで、過去最高益の企業が多く出ているようです。
中国の状況は丁度20年くらい前の日本の再来ですね。
よその国の発展におんぶされていても、売上に反映されているのは結構な事ではないでしょうか。正当な理由で利益が出ているのに文句はありません。
しかし、早くも原材料費の高騰が始まっているらしく、鉄鋼業界の持出し原価も数千億円になろうとしています。しかしそんな事より、目先を見ると更に設備投資額も増えており、資材運搬のための船舶の発注で日本の造船業界も久し振りの活況に沸き返っているようです。2年先まで予約が入っている造船会社もあるとの事。
なかなか結構な事ですが、これから中国の景気上昇の持続期間がどのくらい続くのかがポイントになってきます。
不思議なくらい長く低迷していた中国ですが、ここに来て一気のブレイクです。あの13億人とも言われる人口を抱えた国の成長が世界に与える影響は計り知れません。
世界人口の22%は中国人。その国が頭角を表してきました。上海などの都市化ぶりは、世界的に見ても過去のどの都市よりも急速なのでしょう。
●これからの中国製の工業製品が段々優秀になって、資本主義の大国になってくると、生活水準のアップと共に中国の給与水準もアップ。
日本の企業も生産コストの削減のための中国への進出のメリットがなくなり、逆の流れになって生産拠点が日本に戻って来て、元通りになる期待感が出てくるかも知れません。
●日本国民がバブル期とバブル崩壊後のギャップを知っているだけに、中国の現状の景気動向をどんな風に見極めるのか、どんな風に隣国と付き合っていくか注目したいですね。
●今が最盛期のアメリカも、ブッシュ政権が怪しくなって来ている分、中国がかつてのソビエトの立場になるのかどうかで、世界の組織図の変化が出てくる可能性も大きいのです。社会主義国家が資本主義国家に変わる訳はないのですが、中国自体が大きく変貌するのでしょうか。
作品名:2004年2月、そろそろ道州制の話題が出ています。 作家名:上野倫五