故郷へ帰った (一)
大学医局の同窓会に出た
しばらくぶりで大学医局の同窓会に出席した。
土曜の夜、場末のホテルだった(幹事がケチなせいだろう)。
でも、写真付きで会費一万円だから、仕方ないかもしれない。
この会にはしばらく出てなかった。
偉い先生が多いからだ。
出席しても落ち着かないし、いい思いをしたことがない。十年ぶりぐらいだろう。
出席者は四〇人ぐらいで、会場はわりにせまかった。
丸テーブルが五-六卓あって、料理は壁側に並べられていた。ビュッフェスタイルである。
だいたい、卒業年次ごとに固まって座った。
私はふだん出る会では、たいてい最年長のほうだが、ここでは違う。
ちょうど真ん中へんだった。
異常に年寄が多い会なのだ。会場が加齢臭で一杯になるのではないかと警戒した。
作品名:故郷へ帰った (一) 作家名:ヤブ田玄白