2003年4月、高校の再編が話題になった頃。
《2003年・4月》
少子化により全国的に高校の再編(合併等)が話題に昇り始めた頃です。
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◆4月8日/高校再編は是か非か
最近の日本は少子高齢化が切実な問題となっています。これからの若い働き手が老人を支える「年金の問題」などは、そのシステムそのものを作り直さないと、近い将来に破綻は間違いないと思われます。
20年ほど前の日本が世界に冠たる経済大国?と言われた頃の年金システムがほとんどそのまま使われているのですから。
その頃から急速に転落している日本にもかかわらず、現状に合ったシステムを作れないままに無駄な時間が過ぎています。無能としか言いようがない日本政府の姿がこんなところにも現れていて、一党長期政権の弊害の一つでしょうか。
そんな中に、昨年から全国的に生徒数が少なくなっている高校の再編問題が浮上して、該当する地域の関心事になっています。中学校までは義務教育でもあり、子供の通学方法などもあってそのままでしょうが、高校ともなると地域はあってないようなもの。私立高校の場合は経営的に成り立つかどうかが問題ですが、公立高校は予算内での運営において、収入源の生徒数減少をどう捕らえるかが問題でしょう。
近くの高校が突然なくなり、隣町の高校と統合します…と言われたら、地域の人はやはり驚くでしょう。生徒数もそんなに減っているようにも感じないのに、まさか公立の高校がなくなるとは普通では思えないから。世の中、少人数学級の要望も多いようですが、生徒数減少はそれに向かって好都合のようにも思えます。
それにしても何故、高校統廃合なのか、その説明がほとんどないままにいきなり出てきた話題で、住民には寝耳に水。ましてや子供が該当する保護者は、まず通学方法などに頭を悩ます方も多いでしょう。
知り合いの教育委員会の幹部は、今のままでは収支が合わないのが一番の理由だが、それに加えて、高校とは生徒の絶対人数が必要…と言っていました。進学一辺倒でも構わない私立と違い、部活一つとっても活動自体が出来ないような公立高校は、存在自体があまり意味が無い…らしいのです。最低でも学年に4~5クラスが必要なので、小・中学校に分校はあっても、高校に分校は無いのです。
佐賀県の場合で言えば、せっかく高校再編がやれそうだった時期、折からの県知事選挙の候補達は6人とも「見直し」を言って得票に結びつけようとしています。本当に財政が分かった時には、見直しは出来ないだろう…と彼は半分怒っていました。しかし根本的に、もっと活気があり人口流出を防げるような佐賀県が創出できれば、彼のような苦言も出にくいと思うのですが。
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◆4月11日/大学生の選挙参加
いよいよ4月13日は統一地方選挙前半の投票日。私は今回、佐賀県知事候補の選挙戦に初めて加担した事から、いろいろ経験させて貰いました。13日には大和町の開票立会人として開票作業にあたるようになっています。立会人は各自治体の開票所に3人以上10人までの配置と言う事で、開票規模により適正の人数が配置されるようです。
そんな折、2日前の午後9時頃、選挙事務所に1人の若者が訪ねて来ました。佐賀大学の新4年生で、初めて選挙権を行使するにあたり、若い人の政治に対する意識を少しでも高めるために投票を促進するグループの代表者と言うのです。若年層の棄権が多いのが本人達も気になっているとの事。
今回の佐賀県知事選挙に立候補している6人の事務所から意見を聞いて、大学内でのアンケートに利用するのに、それぞれの幹部の意見を集めて回っていました。彼らの考え方や言動は、我々にとっては大いなる勇気を与えてくれます。選挙に限らず、色々な社会的活動において、若い人が積極的に関与してくるだけで嬉しいものです。
今の日本人の選挙離れの原因の大部分は、自分のたった1票があってもなくても大勢に何の影響も無い…との意識が働いているに違いありません。それは目に見える変化が無いからでしょう。結局は不満を持ちながらも現状維持を選択し、選挙は面白くないと感じているのです。
そんな気持ちを払拭するのは、やはり選挙そのものが無関心ではいられないような面白さも必要。保守色の強い地方での現職VS共産党とか何とか、最初から結果が分かっている選挙はそれこそ面白くありません。
一見、民主主義国のような日本は、実は国民の自発力を発揮できないようなシステムを作り出している社会主義的な国家だとよく言われます。
つまり、国会議員や官僚たちの都合の良い政治体制になっていて、それらの許認可がないと仕事そのものが発生しない事も多くあります。資格や届出義務などでがんじがらめになっています。
自分たちの給与一つ考えても、彼らは思うままに税金を使い、世間一般とはかけ離れた感覚で使っています。必要もない特殊法人が一体いくつあるのか…そこを窓口にして税金から給与の取り放題。まさに“搾取している”と言って良いでしょう。
「サラリーマンはバカだから、1から10まで天引きで税金を徴収しても文句一つも言わない」 と官僚たちは考えているようです。
官主導から民主導へ、大学生等の若人達の新鮮な発想で、新しい日本を作って欲しいものです。
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◆4月15日/ゾウの時間、ネズミの時間
このところ、イラク戦争や統一地方選挙、さらには中国・香港を中心に流行っている新型肺炎など、ギスギスした話題ばかりで気持ちも落ち込みそうです。(選挙について本来はギスギスしてはいけませんが…)
米国での大リーグの話題などで緩和される部分が多少はあるにしても、私にとってはいつものような楽しみ方は出来ていないようです。ゴルフのマスターズもついに見なかった。
昨晩、久し振りに本でも読もうと我が家の本棚をあさっていたら『ゾウの時間 ネズミの時間』と言うタイトルで、ちょっと興味をそそる本を見つけました。本川達雄さんという理学博士で動物生理学者と言う肩書きの方が書いている本です。
実は、1月半ばにもゾウとネズミの時間について紹介している五木寛之氏の『生きるヒント4』と言うエッセイを何となく覚えていたのですが、まさに彼が引用した本がこれだったのです。偶然にしても、何か不思議な縁だと思われて、ちゃんと時間をとって読む必要がありそうです。
その五木氏が引用した時の内容は、哺乳類の呼吸回数は約5億回で、体の大小による呼吸スピードがそのまま寿命につながっている…と言うことでした。
この本にはそれ以外にも、動物学者の目から色々面白い事が書いてあり、読んだ人はちょっとした話題の持ち主になりそうです。学校の授業では、(人間を含めた)動物の体の仕組みやその機能は習うのでしょうが、その寿命の根拠なんてのはまず出てこないですね。
少子化により全国的に高校の再編(合併等)が話題に昇り始めた頃です。
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◆4月8日/高校再編は是か非か
最近の日本は少子高齢化が切実な問題となっています。これからの若い働き手が老人を支える「年金の問題」などは、そのシステムそのものを作り直さないと、近い将来に破綻は間違いないと思われます。
20年ほど前の日本が世界に冠たる経済大国?と言われた頃の年金システムがほとんどそのまま使われているのですから。
その頃から急速に転落している日本にもかかわらず、現状に合ったシステムを作れないままに無駄な時間が過ぎています。無能としか言いようがない日本政府の姿がこんなところにも現れていて、一党長期政権の弊害の一つでしょうか。
そんな中に、昨年から全国的に生徒数が少なくなっている高校の再編問題が浮上して、該当する地域の関心事になっています。中学校までは義務教育でもあり、子供の通学方法などもあってそのままでしょうが、高校ともなると地域はあってないようなもの。私立高校の場合は経営的に成り立つかどうかが問題ですが、公立高校は予算内での運営において、収入源の生徒数減少をどう捕らえるかが問題でしょう。
近くの高校が突然なくなり、隣町の高校と統合します…と言われたら、地域の人はやはり驚くでしょう。生徒数もそんなに減っているようにも感じないのに、まさか公立の高校がなくなるとは普通では思えないから。世の中、少人数学級の要望も多いようですが、生徒数減少はそれに向かって好都合のようにも思えます。
それにしても何故、高校統廃合なのか、その説明がほとんどないままにいきなり出てきた話題で、住民には寝耳に水。ましてや子供が該当する保護者は、まず通学方法などに頭を悩ます方も多いでしょう。
知り合いの教育委員会の幹部は、今のままでは収支が合わないのが一番の理由だが、それに加えて、高校とは生徒の絶対人数が必要…と言っていました。進学一辺倒でも構わない私立と違い、部活一つとっても活動自体が出来ないような公立高校は、存在自体があまり意味が無い…らしいのです。最低でも学年に4~5クラスが必要なので、小・中学校に分校はあっても、高校に分校は無いのです。
佐賀県の場合で言えば、せっかく高校再編がやれそうだった時期、折からの県知事選挙の候補達は6人とも「見直し」を言って得票に結びつけようとしています。本当に財政が分かった時には、見直しは出来ないだろう…と彼は半分怒っていました。しかし根本的に、もっと活気があり人口流出を防げるような佐賀県が創出できれば、彼のような苦言も出にくいと思うのですが。
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◆4月11日/大学生の選挙参加
いよいよ4月13日は統一地方選挙前半の投票日。私は今回、佐賀県知事候補の選挙戦に初めて加担した事から、いろいろ経験させて貰いました。13日には大和町の開票立会人として開票作業にあたるようになっています。立会人は各自治体の開票所に3人以上10人までの配置と言う事で、開票規模により適正の人数が配置されるようです。
そんな折、2日前の午後9時頃、選挙事務所に1人の若者が訪ねて来ました。佐賀大学の新4年生で、初めて選挙権を行使するにあたり、若い人の政治に対する意識を少しでも高めるために投票を促進するグループの代表者と言うのです。若年層の棄権が多いのが本人達も気になっているとの事。
今回の佐賀県知事選挙に立候補している6人の事務所から意見を聞いて、大学内でのアンケートに利用するのに、それぞれの幹部の意見を集めて回っていました。彼らの考え方や言動は、我々にとっては大いなる勇気を与えてくれます。選挙に限らず、色々な社会的活動において、若い人が積極的に関与してくるだけで嬉しいものです。
今の日本人の選挙離れの原因の大部分は、自分のたった1票があってもなくても大勢に何の影響も無い…との意識が働いているに違いありません。それは目に見える変化が無いからでしょう。結局は不満を持ちながらも現状維持を選択し、選挙は面白くないと感じているのです。
そんな気持ちを払拭するのは、やはり選挙そのものが無関心ではいられないような面白さも必要。保守色の強い地方での現職VS共産党とか何とか、最初から結果が分かっている選挙はそれこそ面白くありません。
一見、民主主義国のような日本は、実は国民の自発力を発揮できないようなシステムを作り出している社会主義的な国家だとよく言われます。
つまり、国会議員や官僚たちの都合の良い政治体制になっていて、それらの許認可がないと仕事そのものが発生しない事も多くあります。資格や届出義務などでがんじがらめになっています。
自分たちの給与一つ考えても、彼らは思うままに税金を使い、世間一般とはかけ離れた感覚で使っています。必要もない特殊法人が一体いくつあるのか…そこを窓口にして税金から給与の取り放題。まさに“搾取している”と言って良いでしょう。
「サラリーマンはバカだから、1から10まで天引きで税金を徴収しても文句一つも言わない」 と官僚たちは考えているようです。
官主導から民主導へ、大学生等の若人達の新鮮な発想で、新しい日本を作って欲しいものです。
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◆4月15日/ゾウの時間、ネズミの時間
このところ、イラク戦争や統一地方選挙、さらには中国・香港を中心に流行っている新型肺炎など、ギスギスした話題ばかりで気持ちも落ち込みそうです。(選挙について本来はギスギスしてはいけませんが…)
米国での大リーグの話題などで緩和される部分が多少はあるにしても、私にとってはいつものような楽しみ方は出来ていないようです。ゴルフのマスターズもついに見なかった。
昨晩、久し振りに本でも読もうと我が家の本棚をあさっていたら『ゾウの時間 ネズミの時間』と言うタイトルで、ちょっと興味をそそる本を見つけました。本川達雄さんという理学博士で動物生理学者と言う肩書きの方が書いている本です。
実は、1月半ばにもゾウとネズミの時間について紹介している五木寛之氏の『生きるヒント4』と言うエッセイを何となく覚えていたのですが、まさに彼が引用した本がこれだったのです。偶然にしても、何か不思議な縁だと思われて、ちゃんと時間をとって読む必要がありそうです。
その五木氏が引用した時の内容は、哺乳類の呼吸回数は約5億回で、体の大小による呼吸スピードがそのまま寿命につながっている…と言うことでした。
この本にはそれ以外にも、動物学者の目から色々面白い事が書いてあり、読んだ人はちょっとした話題の持ち主になりそうです。学校の授業では、(人間を含めた)動物の体の仕組みやその機能は習うのでしょうが、その寿命の根拠なんてのはまず出てこないですね。
作品名:2003年4月、高校の再編が話題になった頃。 作家名:上野倫五