誰がために劇は成る
登場人物
・ 坂本優奈
・ 土田愛莉
・ 伊藤 一樹(ファースト)
・ 山田 悠二(セカンド)
・ 秋山 三朗(サード)
・ 父
・ 母
・ 実行委員の人/アナウンサー(女性がいい)
台本読みの「」は効果音を自分の口から言ってる
舞台中央奥にソファー、中央と上手舞台袖の中間の位置にドア枠が立っている。下手側に教室にあるような机と椅子。
明転
演劇サークルの部室内(放課後)。三人の男子学生がソワソワしている。
サード「来ますかねぇ、新入生」
セカンド「いやでも二百枚も配ったんだぜ?最低でも5人、いや10人は来るはずだ!」
ファースト「でもうちのサークルそんな活動してねーぞ。」
サード「ほんとですよ。それに比べて軽音部やアカペラサークルは、明日から地元の春祭りで早速イベントですよ。」
セカンド「い、いいんだよ!うちはこじんまりやってくゆる〜いサークルなんだから!」
ファースト「だから周りから何やってるかわかんないって言われるんだよ・・・」
セカンド 「テメェ!それは禁句だろ!」
ファースト「ウルセェ!てかセカンド企画の老人ホームで劇やるやつどーなったんだよ!」
セカンド「あれは今年からやるっつてんだろ!」
ファースト「それ去年も聞いたわ!」
上手からゆーなと愛莉登場
ゆーな「こんにちはー」
あいり「失礼しまーす…」
1、2「何!?」
ゆーな「いやあの、サークルに入るつもりできたんですけど」
ファースト「え、あ、新入生か・・・・。ようこそ、演劇サークルへ!」
サード「・・・二人だけ?」
ゆーな「ですね。」
サード「やっぱうちって人気ないんですかね・・・。」
セカンド「二百枚配って・・・たったの二人。」
ファースト「ほらみろ」
全員「・・・・・。」
セカンド「き、、来てくれたことに感謝しよう!0より1だ!とりあえず自己紹介してもらっていいかな?えっと、じゃあ君から!」
ゆーな「あ、はい。 坂本優菜といいます。中学、高校でずっと演劇部で役者やっていたので演技には自信あります。よろしくお願いします。」
男三人、まばらに拍手
セカンド「自己紹介で既にオーラが・・・」
サード「こんなハキハキした自己紹介僕はじめて見ましたよ」
ファースト「俺らより断然歴長いしな。いろいろと教えてもらおうかな」
ゆーな「いいですよ。」
ファースト「お、う、うん」
セカンド「じゃあ、次!」
あいり「は、はい、えっと、名前は、土田愛莉、って、言います・・・。わ、私もゆー、坂本さんと一緒の学校で六年間演劇部入ってまして、えと、照明とか裏方のほうを、やってました・・・。よ、よろしくお願いします。」
男三人、拍手
セカンド「今年の新入生はめちゃくちゃ有望だな。裏方やってた人とか全然いなかったのに。」
ファースト「そもそも演劇経験者が全く来なかったしね。」
ゆーな「あの、ちょっと質問いいですか?」
123「何?」
ゆーな「説明会のときに気になったんですけど、学校祭での発表以外やらないんですか?」
ファースト「いや、たまーにどこか施設借りてやるけど、基本的に学校祭メインかな。」
サード「さすがに三年にもなると暇な時間がなかなか作れないんですよねぇ。」
ゆーな「ふーん、あんまり活動しないんですね。」
セカンド「気にしてるとこ突かれた・・・。」
ゆーな「ところで、先輩達の自己紹介がまだなんですけど。」
123「(きた!)」
ファースト「あ、ああ、そうだったね。」
男三人、円陣を組み確認し合う
セカンド「(おい、おぼえてきたか?)」
サード「(もちろんですよ。)」
ファースト「(じゃあ準備はいいか? いくぞ)」
ファースト「三年生、伊藤一樹。担当は演出そして・・・役者。」
セカンド「同じく三年、山田悠二。担当は大道具そして・・・役者」
サード「さらに同じく三年、秋山三郎。担当は照明そして・・・役者。」
ファースト「我ら演劇を愛する」
サード「孤独な表現家」
セカンド「演劇、それは一夜しか咲かぬ月下美人のごとく」
ファースト「しかし我ら、人の心に留まり続ける」
セカンド「花となり」
サード「光となり」
ファースト「あなたの歩みのきっかけとなる」
サード「だから期待して」
セカンド「ついてこい!」
ファースト「あの希望のピンスポットへ連れて行こう。そう、我らこそ」
ファースト「ファースト!」
セカンド「セカンド!」
サード「サード。」
123「我ら、演劇サークル、『エチュード』! 」
123「(決まった・・・!)」
ゆ・あ「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
あいり「(え・・・なにこれ・・・・)」
ゆーな「(え?なにこれ、だっさ。え、だっさ!なんでこんなセリフを恥ずかしがりもせず言えるの。イタすぎでしょ!やばい、鳥肌出てきちゃった)」
あいり「す、すごかったですー。つい見入っちゃいました。ね?」
ゆーな「え?あ、う、うん、六年間やってきた私でもこれできないですよ。絶対に。」
ファースト「ごせいちょーありがとー、覚えたかいがあったよ。」
セカンド「ゆーなちゃんが褒めてくれてたってことは」
サード「相当良かったってことですよ!やりましたね!」
ファースト「ああ、努力の賜物だな。」
セカンド「ってことで、俺たちのことは気軽にあだ名で呼んでくれていいからね」
あいり「は、はぁ」
ファースト「ま、できれば統一してくれ」
ゆーな「わ、かりました。じゃあ私たちそろそろ」
セカンド「もう帰っちゃうの?」
ゆーな「今日は入部表明をしに来ただけだったので」
セカンド「そか、気をつけてねー」
女子二人、上手へ退場
(SE 扉のしまる音)
舞台手前にライト。影に入った三人は動かず。舞台手前にゆーなとあいりが来る
ゆーな「はぁ」
あいり「どう?ゆーなちゃん、ここならやりたいことやれそう?」
ゆーな「そうね、さすがにさっきのはドン引きしたけど・・・。悪い人じゃなさそうだし、ここならやりたかったことやれるかも」
あいり「ほんと?じゃあ私も手伝うから絶対やろうね!」
ゆーな「ちょっと、ハードル上げないでよ。でも愛莉がいてくれてほんとによかった。四年間もよろしくね。」
あいり「うん!」
二人退場
奥三人に照英が当たる。真剣な表情だが、お互いの目は見ない
ファースト「なあ、」
サード「ええ、わかってますよ。」
セカンド「やっぱお前らも気づいてたか」
サード「気づかないほうが逆におかしいですよ。」
ファースト「だよな。 あの優菜って子」
123「めちゃくちゃ可愛かったぁぁぁぁ!!!」
セカンド「あんな子と演劇できるなんて夢のようだぜ!」
サード「僕、家帰ったら早速台本書きます。」
ファースト「じゃあ俺とゆーなちゃんの二人芝居で頼む。」
サード「何言ってるんですか、僕とゆーなちゃんとの二人芝居に決まってるじゃないですか!」
セカンド「ふっざけんな!一人だけいい思いしようとしてんじゃねえぞ!」
ファースト「じゃあ俺も台本書こ。」
23「え?」
・ 坂本優奈
・ 土田愛莉
・ 伊藤 一樹(ファースト)
・ 山田 悠二(セカンド)
・ 秋山 三朗(サード)
・ 父
・ 母
・ 実行委員の人/アナウンサー(女性がいい)
台本読みの「」は効果音を自分の口から言ってる
舞台中央奥にソファー、中央と上手舞台袖の中間の位置にドア枠が立っている。下手側に教室にあるような机と椅子。
明転
演劇サークルの部室内(放課後)。三人の男子学生がソワソワしている。
サード「来ますかねぇ、新入生」
セカンド「いやでも二百枚も配ったんだぜ?最低でも5人、いや10人は来るはずだ!」
ファースト「でもうちのサークルそんな活動してねーぞ。」
サード「ほんとですよ。それに比べて軽音部やアカペラサークルは、明日から地元の春祭りで早速イベントですよ。」
セカンド「い、いいんだよ!うちはこじんまりやってくゆる〜いサークルなんだから!」
ファースト「だから周りから何やってるかわかんないって言われるんだよ・・・」
セカンド 「テメェ!それは禁句だろ!」
ファースト「ウルセェ!てかセカンド企画の老人ホームで劇やるやつどーなったんだよ!」
セカンド「あれは今年からやるっつてんだろ!」
ファースト「それ去年も聞いたわ!」
上手からゆーなと愛莉登場
ゆーな「こんにちはー」
あいり「失礼しまーす…」
1、2「何!?」
ゆーな「いやあの、サークルに入るつもりできたんですけど」
ファースト「え、あ、新入生か・・・・。ようこそ、演劇サークルへ!」
サード「・・・二人だけ?」
ゆーな「ですね。」
サード「やっぱうちって人気ないんですかね・・・。」
セカンド「二百枚配って・・・たったの二人。」
ファースト「ほらみろ」
全員「・・・・・。」
セカンド「き、、来てくれたことに感謝しよう!0より1だ!とりあえず自己紹介してもらっていいかな?えっと、じゃあ君から!」
ゆーな「あ、はい。 坂本優菜といいます。中学、高校でずっと演劇部で役者やっていたので演技には自信あります。よろしくお願いします。」
男三人、まばらに拍手
セカンド「自己紹介で既にオーラが・・・」
サード「こんなハキハキした自己紹介僕はじめて見ましたよ」
ファースト「俺らより断然歴長いしな。いろいろと教えてもらおうかな」
ゆーな「いいですよ。」
ファースト「お、う、うん」
セカンド「じゃあ、次!」
あいり「は、はい、えっと、名前は、土田愛莉、って、言います・・・。わ、私もゆー、坂本さんと一緒の学校で六年間演劇部入ってまして、えと、照明とか裏方のほうを、やってました・・・。よ、よろしくお願いします。」
男三人、拍手
セカンド「今年の新入生はめちゃくちゃ有望だな。裏方やってた人とか全然いなかったのに。」
ファースト「そもそも演劇経験者が全く来なかったしね。」
ゆーな「あの、ちょっと質問いいですか?」
123「何?」
ゆーな「説明会のときに気になったんですけど、学校祭での発表以外やらないんですか?」
ファースト「いや、たまーにどこか施設借りてやるけど、基本的に学校祭メインかな。」
サード「さすがに三年にもなると暇な時間がなかなか作れないんですよねぇ。」
ゆーな「ふーん、あんまり活動しないんですね。」
セカンド「気にしてるとこ突かれた・・・。」
ゆーな「ところで、先輩達の自己紹介がまだなんですけど。」
123「(きた!)」
ファースト「あ、ああ、そうだったね。」
男三人、円陣を組み確認し合う
セカンド「(おい、おぼえてきたか?)」
サード「(もちろんですよ。)」
ファースト「(じゃあ準備はいいか? いくぞ)」
ファースト「三年生、伊藤一樹。担当は演出そして・・・役者。」
セカンド「同じく三年、山田悠二。担当は大道具そして・・・役者」
サード「さらに同じく三年、秋山三郎。担当は照明そして・・・役者。」
ファースト「我ら演劇を愛する」
サード「孤独な表現家」
セカンド「演劇、それは一夜しか咲かぬ月下美人のごとく」
ファースト「しかし我ら、人の心に留まり続ける」
セカンド「花となり」
サード「光となり」
ファースト「あなたの歩みのきっかけとなる」
サード「だから期待して」
セカンド「ついてこい!」
ファースト「あの希望のピンスポットへ連れて行こう。そう、我らこそ」
ファースト「ファースト!」
セカンド「セカンド!」
サード「サード。」
123「我ら、演劇サークル、『エチュード』! 」
123「(決まった・・・!)」
ゆ・あ「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
あいり「(え・・・なにこれ・・・・)」
ゆーな「(え?なにこれ、だっさ。え、だっさ!なんでこんなセリフを恥ずかしがりもせず言えるの。イタすぎでしょ!やばい、鳥肌出てきちゃった)」
あいり「す、すごかったですー。つい見入っちゃいました。ね?」
ゆーな「え?あ、う、うん、六年間やってきた私でもこれできないですよ。絶対に。」
ファースト「ごせいちょーありがとー、覚えたかいがあったよ。」
セカンド「ゆーなちゃんが褒めてくれてたってことは」
サード「相当良かったってことですよ!やりましたね!」
ファースト「ああ、努力の賜物だな。」
セカンド「ってことで、俺たちのことは気軽にあだ名で呼んでくれていいからね」
あいり「は、はぁ」
ファースト「ま、できれば統一してくれ」
ゆーな「わ、かりました。じゃあ私たちそろそろ」
セカンド「もう帰っちゃうの?」
ゆーな「今日は入部表明をしに来ただけだったので」
セカンド「そか、気をつけてねー」
女子二人、上手へ退場
(SE 扉のしまる音)
舞台手前にライト。影に入った三人は動かず。舞台手前にゆーなとあいりが来る
ゆーな「はぁ」
あいり「どう?ゆーなちゃん、ここならやりたいことやれそう?」
ゆーな「そうね、さすがにさっきのはドン引きしたけど・・・。悪い人じゃなさそうだし、ここならやりたかったことやれるかも」
あいり「ほんと?じゃあ私も手伝うから絶対やろうね!」
ゆーな「ちょっと、ハードル上げないでよ。でも愛莉がいてくれてほんとによかった。四年間もよろしくね。」
あいり「うん!」
二人退場
奥三人に照英が当たる。真剣な表情だが、お互いの目は見ない
ファースト「なあ、」
サード「ええ、わかってますよ。」
セカンド「やっぱお前らも気づいてたか」
サード「気づかないほうが逆におかしいですよ。」
ファースト「だよな。 あの優菜って子」
123「めちゃくちゃ可愛かったぁぁぁぁ!!!」
セカンド「あんな子と演劇できるなんて夢のようだぜ!」
サード「僕、家帰ったら早速台本書きます。」
ファースト「じゃあ俺とゆーなちゃんの二人芝居で頼む。」
サード「何言ってるんですか、僕とゆーなちゃんとの二人芝居に決まってるじゃないですか!」
セカンド「ふっざけんな!一人だけいい思いしようとしてんじゃねえぞ!」
ファースト「じゃあ俺も台本書こ。」
23「え?」