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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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女の歯医者さんだった

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女の歯医者さんだった



 十日ぐらい前、W先生に詰めてもらった「セメント」のお陰で、歯の痛みはなくなったが、約束の日だったので、歯科を受診した。
今日は久しぶりに部長の診察だ。

 「すっかり痛みがなくなりました」というと、
「そうですか。でも、また痛むようなら、神経抜きますから」
と早速脅かされた。

 今日は部長がじきじきに治療してくれると思ったが、実際の診療は、そばにいた若い女の歯医者さんだった。
女の歯医者は初めてである。
女のほうが痛みが少ないだろうと、根拠の無い安心感を持った。