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左端から見れば全部右寄り Part 9

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3.座り込み?


「あ~、めっちゃ腹立つわぁ」
「どないしたんや?」
「ひ〇ゆきのこっちゃ」
「ああ、辺野古の座り込み抗議のハナシな?」
「そや、あいつホンマにネトウヨやで」
「さよか? ワイからしたらそうも見えんけどな」
「人をバカにしとらんか?」
「まあ、それがいつものひ〇ゆきやけどな……けど間違ったことは言ってへんのとちゃうか? 座り込みしとると思うて行ってみたら誰もおらんかったって、写真を見てもその通りやん」
「座り込み言うてもな、毎日毎日朝から晩までしとるわけやないやろ?」
「さよか? 座り込みってのはそういうもんやないのか?」
「それを3000日以上もしとったら死んでまうわ」
「交代でやったらええやん」
「お前、簡単に言うけどやなぁ、8年以上やで」
「だったら期間を決めといたら良かったんとちゃうか?」
「そないなわけに行くかいな、基地建設工事が中止にならん限り抗議し続けなあかんやないか」
「わかったわかった、そう言や9:00、12:00、15:00に座り込みしとる言うてたな」
「そや、工事車両が来る時間に合わせてな」
「ならバス停みたいに時刻表付けといたらええやんか、それにそもそも工事のオッサンたちは頼まれた仕事しとるだけちゃうのか? 抗議するなら国会議事堂前とか首相官邸前とかやろ、あそこに座り込むのはオッサンたちの仕事の邪魔しとるだけやと思わんか?」
「沖縄でやることに意味があるんや、沖縄市民の総意を表明するための抗議やねんから」
「沖縄『県民』やのうて、沖縄『市民』かいな」
「そや、なんかおかしいか? ええか? 沖縄市民はみんな辺野古基地建設に反対しとるんや、知事選やて反対派が勝ったやろ?」
「けど、辺野古がある名護市の市長は容認派やで、那覇の市長も保守側の勝ちやったしな」
「それは……そうやけど……」
「なら『みんな』言うわけやないやん、そもそも那覇の普天間基地が危険やってことで辺野古に基地作ることになったんやないのか? 辺野古基地が出来ひんかったら普天間基地はそのまんまやで」
「そらちゃうで、沖縄に基地があること自体おかしいんや」
「そらなぁ、気の毒と思わんこともないけどな、地理的にしゃあないんと違うか?」
「どういうこっちゃ」
「つまりやな、赤い大国と地勢的に近いやん、石油タンカーの通り道でもあるし、台湾も目と鼻の先やしな」
「それがなんや?」
「米軍基地がのうなったら真っ先に占領されるんが沖縄やで、そう思わんか?」
「どこが攻めて来る言うんや?」
「そやから、あの赤い大国やがな」
「そないなことあるわけないがな」
「そうか? 香港を見てみぃ、エゲレスとの約束なんかあっさり反故にしよったで、ウィグルで何が起こってるのか知らんか? チベットはどうや? 台湾もワイのもんや言うとるしな」
「けど、日本は大丈夫や」
「なんで?」
「9条を持ってるからや」
「は?」
「抵抗せんと言ってる国を攻めるか?」
「……攻めるんとちゃうか?」
「んなこと、あらへん」
「あのな……お前がスカンピンで腹減ってるとしよか?」
「まあ、確かにいつも金はあらへんけどな……けど腹減ってどうしようもないってとこまでは行かへんで」
「あの国には腹減らしてる人民もおるやろ?」
「金持ちもおるで」
「まあ、確かにな、けど金持ちほどケチなもんや、自分の取り分を減らさんで食えないやつを助けようと思うたら他所から取るやろ?」
「まあ……そうなるかな」
「そん時にやで、ピストル持ってるやつと手ぶらのやつ、どっち狙う?」
「そら……撃たれたくはないわな」
「そやろ? 国のピストルは軍事力や、ピストルは利き手ですぐ抜けないと後手に回るやろ? 先に何発も撃たせたら死んでまうがな」
「そやから9条なんや」
「どういうこっちゃ?」
「こっちが打ち返さん言うことをわかってもらうんや」
「そしてら撃たれんか?」
「撃たれん!」
「まあ、なんだ、見解の相違ってやつやな……ワイは撃たれると思うで、たいがいそう考えると思うけどな」
「それは間違いや」
「さよか……まあ、お前の言う『沖縄市民』がそう思うならそれで良いけどな……」
「せやろ? そやから沖縄に基地はいらんのや」
「なあ、お前、それが『沖縄市民』の総意やと言うんやな?」
「そや、ようやくわかったんかい、オール沖縄の意志や」
「ところでな……なんでお前大阪弁なんや? 大阪弁で『沖縄市民の総意や』『オール沖縄や』言うの、おかしいと思わんか?」
「う……ちむどんどん、なんくるないさー」
「今更遅い、もうええわ」