続々 神ってる(Aino SPINOFF 3)
其の㉔ 蚊の殺し方
蚊が愛音の腕にとまった。それに気付いても叩き潰そうとしない。
小さな命を奪うことを躊躇っているようだ。
(そうそう。こういう優しいとこあるんだよな)
蚊はやがてお腹いっぱい愛音の血を吸って、ゆっくりと飛び立った。
★パン!
愛音は両手で蚊を叩き潰した。
「え! なんで!? なんで殺すの?」
「え? 蚊なんてみんな潰すでしょ」
「今、血を吸わしてたじゃない」
「お腹いっぱいになったら、飛び方鈍くて、叩きやすいのよ」
叩くタイミングなら、ずーっとあったと思うけど。
作品名:続々 神ってる(Aino SPINOFF 3) 作家名:亨利(ヘンリー)