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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
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This Is War(おしゃべりさんのひとり言 その98)

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This Is War



アメリカの「30 Seconds to Mars」というバンドの『This Is War』という曲がカッコよくて好きでした。
戦争とはこんなもの、勝者と敗者、正義と卑劣、戦って新世界を勝ち取れ! というような歌です。
英語で聴いてると勇敢な印象ですが、和訳するとなんか、安っぽく聞こえますよね。
歌詞はともかくとして、僕にはそのリズム感が心地よく、何気にノリノリで聴いていました。
しかし昨今、ロシアのウクライナ侵攻。そのニュースを見ているうちに、戦争に対しての違和感を持ち始めたのは、僕だけじゃないと思います。
戦争の正義について、かなり重たいテーマですが、今言うべき『ひとり言』なので、お付き合いください。

「ロシアの兵器のレベル低いよな」
「ああ、ミサイルはほとんど命中しないらしいな」
「それ以前に不発弾が多すぎるっしょ」
「確か命中率が70%とか、不発は20%にも及ぶとか・・・」
昼休みの食堂で、こんな会話が聞こえてきました。確かにそんなことをテレビで言ってたのを見たことあるけどね。でもロシアって、超軍事大国だって印象が強いのに(そんなレベルの軍隊だったの?)って疑問に思った。その会話に注目していると、
「最新のスホーイ(戦闘機)も、迫撃砲ぐらいで撃墜されたらしいぞ」
 →うん。確かにそんなニュースもやってた。
「ロシアの戦車部隊は待ち伏せ食らって全滅だ」
 →うんうん。確かにそう報道されてた。
「今時、歩兵なんか古すぎるんだよ」
 →うんうんうん。第2次大戦当時の戦術のままだって、軍事評論家も言ってたな。
「ロシア将校が、暗号じゃ無いスマホで連絡とり合って、情報駄々洩れ」
 →うんうんうんうん。それで攻撃目標になって殺害されたらしいな。
「ロシア兵は徴兵された新兵ばかりで、ウクライナの精鋭には勝てんでしょ」
「プーチン、敵を甘く見すぎなんだって」
 →うんうんうんうんうん。そんな意見ばかりがテレビで報道されてた。

でもこれが、とんでもない勘違いだったとしたら・・・


僕の人生で戦争と言えば、太平洋戦争・・・?
当然僕は生まれてないですけど、日本人が関係してる戦争って言えば、これくらいだし。
歴史の授業で、日本はそれまで侵略や虐殺を繰り返してきたって聞いてますけど、もう80年近く戦争はしていない。現代日本は平和主義だって、誰も信じて疑いませんよね。
だから僕も、冒頭の曲は他人事で聴いていられたんでしょうね。

僕がしばらくイスラエルで仕事をしていた当時のこと。ユダヤ人とパレスチナ民族の小競り合いがあって、正規軍の戦闘ヘリがガザ地区への爆撃のため上空を行ったり来たりしてました。パレスチナゲリラの反撃で都市部に迫撃砲が撃ち込まれて、煙が上がったりしてるところを見た経験があります。
でもそんな毎日でも、ちゃんと決まった時間に仕事に行ってました。民間軍事企業の警備に守られながらの移動でしたけど、帰りの道中は(ディナーに何食べようか)って、飽きないよう考えるのに必死だった気がします。
それに休日には、地中海のビーチで、一日中ビールを飲んでくつろいだり、死海や聖地エルサレム、ナザレにまで観光に行ったり、エジプト国境の町のサンゴ礁にダイビングに行ったりもしていました。もちろん砂漠の街を通過する度に、何回も検問に遭いましたけど。
そんな街の様子も日本の平和さと変わらないくらいで、紛争で死者が出ていると話には聞いていても、何も危険を感じることなど出来ませんでした。
みんな普段通りの生活をしていて、交通事故のニュース程度の感覚になっていました。


今春以降、テレビでウクライナの町や村が激しく破壊される様子が報道され始めて、まさに戦争中継がテレビで見られます。ウクライナのゼレンスキー大統領が悲痛な面持ちで、その悲惨さを国際社会に訴えています。
そんな中、日本のネット情報ではロシアへの悪口が増えて、侵攻直後からウクライナに肩入れする情報ばかりが拡散されてきました。
それに対するロシアのプーチン大統領は、まったく的外れと思えるような理論で自国の正当性を訴えていますが、それを指示する人々も大勢いるんです。
そこには情報操作(プロパガンダ)があるんだろうと思いますが、まるで交通事故を起こした人が、自分に有利な事しか証言せず、不利なことには口をつぐんで嘘をつくのと同じじゃないかという印象を受けませんか?
事実はどうなんでしょうか。どちらが悪で、どちらが正義か。僕には判りません。
双方の国民感情は、それぞれの立場に由来します。僕のような縁もゆかりもない日本人には、簡単には理解できなさそうです。
なのに、日本人の大多数がなぜかウクライナ寄りですよね。なんでかな?
その理由をよく考えてみました。