小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

大学医局の同窓会に出た

INDEX|45ページ/102ページ|

次のページ前のページ
 

 私はあわてて、
「ご面倒おかけして、まことに申しわけありません」と言った。
もしかすると、部長が、
「まったく世話が焼けるナア。今日になってそんな事言うなんて。
せっかく作った銀歯をどうしてくれるんだ!」
とスゴむのではないかと、恐れたためだ。

 ところが意外なことに、部長はこう言った。
「いや、こちらこそ。最初にきいておかなかったのがいけなかったのです」
部長は、一見ブッキラボーだが、根はいい人なのだ。
私はホッとして、〈型どり〉をやり直してもらうため、診察台に横になった。

 今日の担当は、前々回の〈高校野球補欠クン(干物氏)〉だった。
私は全神経を嗅覚に集中して警戒した。
が、幸運なことに今日はまったく干物の臭いがしなかった。今朝は干物を食べなかったのだろう。
技術的には、将来有望なKさんといい勝負だ。
高校野球なら補欠で終わりそうだが、歯医者としては何とかやってゆけると思う。