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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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大学医局の同窓会に出た

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部長はいい人だった



 新しい歯が入る日だ。
念のため、部長に聞いてみた。
「今日、歯が入るんですよね。どんな色ですか?」
部長は怪訝そうな顔で、
「銀ですが・・・・。」と答えた。

〈アー、やっぱり聞いてよかった。〉
私は昨夜寝る前に、気づいたのだ。
〈明日、入れ歯がはいるが、もし、銀歯だったらどうしよう。
銀歯はいやだ。
お金がかかっても、ここは奮発して白い歯にしよう〉
治療中の歯は、口を開けるとチラリと見える場所だ。

 私は勇気を振り絞って言った。
「白いのがいいんですけど」
一瞬の間があって、
「ア、そうですか・・・・。じゃ、もう一度〈型どり〉しなくちゃならないネ」
とそばにいる助手に言った。
少し不満そうな言い方に聞こえた。