小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

EMIRI 7 言い訳を考えておきます

INDEX|5ページ/5ページ|

前のページ
 

~~~~~~~~~~~~~~~

 では、土曜のコルベットでの会話の続きはというと、
「で、ホテルに早めにチェックインして、ホノルルの街に繰り出しても、眠くって仕方ないと思うんですよね」
「今日はまだ眠くないよね」
「まだ昼の1時ですよ」
笑いながら答える恵美莉。
「じゃ、ホテルにチェックインしようか」
「・・・イヒヒ、やっぱりそう来ましたか」
少し顎を引いて身構えるように左足を上に組み、窓側に姿勢を傾けた。
「分かってた?」
「帰るのがちょっと早いなって思ってました」
「時間無いから、早く決断しないと、と思って」
「ええ~? ホテル行くんですかぁ~?」
恵美莉はそう言いながら困った表情を見せないように、右のドアミラーに映る景色に目をやった。
「そうだけど。嫌じゃないでしょ」
「そういう言われ方すると、あたしちょっと嫌だな」
「俺たちもう、キスしてるし。興奮して盛り上がった時に。今もそうだと思うからホテルに行くよ」
慌ててヒデキの方に振り替えると、
「えぇ? もう決めちゃうの? 昨日のキスは酔っぱらってたからですよ。ヒデキさんは嫌いじゃないですけど。こんなことしてたら、あたしダメだって思うから」
「じゃ、なんで店に来るの?」
「うっふふ、あの店楽しいもん」
少し気まずそうに笑みを浮かべた。
「でも彼氏連れて来ないじゃないか」
「春樹君を同伴しろって言ってます?」
少し強めに言い返せる雰囲気だと思った恵美莉は、ヒデキを睨むように言った。
「そうじゃないよ。店に来るのは俺と喋るためだろ」
「・・・んんん。そう頷くと身の危険を感じるよ」
「そうなんだろ?」
「困ります。春樹君と付き合い始めたばっかりなんですよ!」
「言い訳はホテルで聞くから、考えておきなよ」
恵美莉はゆっくりと右足を上に組みなおして、運転席側に体を向けて脱力したように言った。
「はい。・・・じゃ行きます」


     おわり