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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「珍獣姉妹」なのか

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性格がちょっと・・・ その2




お昼近く、また夫婦連れが来た。人間ドックの結果説明である。
ピンポーンでノックがあり、最初に男性が入ってきた。70代。
すぐに女性(少し若い)が付いてきた。奥さんである。

「どうぞ、奥さんは隣の椅子におかけください」
正面に腰を下ろした男性は何もしゃべらず、無表情。
奥さんは、ご主人の結果が心配そうで落ち着かない。

奥さんはご主人に話しかけた。
「ホラ、あなた、先生のお話よく聞くんですよ」
「わかったよ」ご主人は小声で答えた。
小学校の三者面談のようだ。

「センセイ、この頃、主人はへんな咳するんですよ。大丈夫でしょうか?痰も出るんです。あれほどタバコ止めるように言ってるんですけど」
一気にまくし立てた。
傍らでご主人はかしこまっている。

ヤブ田は人間ドックの結果判定用紙に目を通した。
たしかに、胸部レントゲンの欄に「右肺門部異常影」と書かれていた。
レントゲンを見直してみたが、ヤブ田の目は節穴なのか、はっきりした異常はないように見えた。

「奥さん、私が見た範囲では異常ないように見えますけど。」
「でも異常なんでしょ。ここに異常って、書いてますよ」
「・・・・。そうですね。人間ドックの判定は二人の医者でダブルチェックするんですよ。一致しない場合は、重い判定の方をとるんですね。ですから私の判定と違う場合もあるんですよ。」
「アア、そうなんですか。でも、どうしたらいいんでしょう?主人は咳がひどいんです。タバコは一日二箱で、家の中はタバコの臭いで大変なんです。どうにかしてほしいんですけど」
〈家庭のタバコ問題まで私の責任にされるのか〉

「わかりました。それじゃ、念のため、詳しい検査をしてみましょう。CT検査をしたほうがいいでしょう。すぐに出来ますから。」
作品名:「珍獣姉妹」なのか 作家名:ヤブ田玄白