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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「珍獣姉妹」なのか

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安息日のブランチ




 金曜日、ヤブ田の安息日である。
以前、「私はキリスト教徒ではないが、金曜日は安息日と決めている」と書いたような気がするが、あれは勘ちがい。
キリスト教の安息日は日曜である。なんと当たり前のことか。

 改めて、金曜日だった。
ヤブ田はイスラム教徒ではないが、金曜は安息日と決めている。礼拝はしないが、自由に過ごす事に努めている。

 そして今日は、昨日の節分から一日たって、立春である。
今日から春が始まるという縁起のいい日だ。まだ寒いが暦の上では二十四節気の初め。
イスラム教だけではなく、中国の古くからの習わしでとても良い日である。

 昨夜、節分の豆を食べ過ぎたせいか、今朝遅くまで寝てしまった。起きたのは10時近く。
〈今日は安息日だ。ブランチでいこう〉と決心した。

 開店時間の11時半少しすぎ、近くのイタリアンに行った。
人影が少ないな、と思った。
中が暗い。玄関の入り口から覗くと、眼鏡の若い男が一人、椅子に腰を下ろして、こちらを見た。
私が頭を下げると、笑顔で、両手で×の印を作った。
〈エッ、休み?そんなはずはないだろう〉と思って、入り口の立て札を見ると、「Closed」と書いてあった。

〈なんだ、閉まってるのか、この店はイタリアンだろ、イスラム教とは関係ないはずだが。それにしても、たまにしか来ないんだから、閉店なら閉店と前もって連絡があってもいいはずだ。もしかすると、今日はイスラム教徒の集会で貸し切りなのかもしれないな〉

 ヤブ田は諦めて、道一本隔てたファミレスに向かった。
作品名:「珍獣姉妹」なのか 作家名:ヤブ田玄白