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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「珍獣姉妹」なのか

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日曜日も寒かったけど

 

 
「日曜日は母の見舞いに行くことが多い。」と書いたことがあるが、今日もそうだった。
他にやることが無いわけではないが、母のことはやはり気になる。

 いつもはコンビニのプリンを持ってゆくのだが、今日は一味違う。
一昨日デパートの地下食品売り場で買ったプリン、(モロゾフのプリン、200円)を1個持参した。

 母は朝食の後で眠いらしく、いびきをかいて眠っていた。
「おかーさん!」と呼び掛けても反応がない。
初めてなら心配するところだが、いつものことなので、そのまま待つことにした。

 ところが30分待っても目覚めない。
プリンの賞味期限は今日までである。
心配になって、耳元で大きな声で呼んでみた。
「おかーさん、プリン食べる?」

 すると、薄眼を開けて目覚めた。(プリンには敏感らしい)
私をじっと見て何か言いたそうだったが、口をもぐもぐ動かすだけだった。〈そうか、早くよこせ、という意味だな〉

 私は安心して、紙袋から取り出し、黄色のフィルム状の蓋を外して、スプーンで中身をすくって、母の口元へ運んだ。

 
作品名:「珍獣姉妹」なのか 作家名:ヤブ田玄白