「珍獣姉妹」なのか
まえがき
16歳になる猫と暮らしている。
家に来たのは生後１年少し前だった。
もとは野良猫である。
ある時、自転車にひかれて倒れていたところを、親切な通りすがりの人が動物病院に運んでくれた。
そこはたまたま、ヤブ田の知り合いのセンセイの病院だった。
センセイはなかなかの研究熱心で、猫は危うく実験用に使われるところだった。
可哀そうに思った私は家に引き取ったのである。
それから１５年、猫と私は仲良く暮らした。
猫は特別仕事もないので、家でブラブラしていた。
近所の雌猫と恋に落ちたこともあったが、実らなかった。
2歳か3歳のころ、去勢すると性格も温和になって、以後はほとんど家の中で過ごしている。
エサも尿路結石防止で成猫用の少し高いのを与えているし、愛情もたっぷり注いできたので、これ以上ない環境だろう。