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徒桜

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食卓の片隅、「東京銘菓」に目を落とす
俺に気付いたのか、「勇者(バカ)」が首を伸ばして訊(たず)ねる

「「此れ」の蘊蓄、知ってる?」

至極、普通に頷くも
「勇者(バカ)」の驚き振りは半端無かった

「知ってるの?」
「本当に知ってるの?」

自己(セルフ)で味付けした
英吉利(イギリス)式の如く料理を食(しょく)す、無言の俺に詰め寄る

「教えて」
「ねえ、教えて」

自身の腕に掻(か)い付く
愈愈、揺すり始めたのを切っ掛けに、「勇者(バカ)」が手元に置いた
携帯電話の液晶画面を指で叩く

「分かった分かった」
「分かったから取り敢えず、御前も食えよ」

「新幹線に乗り遅れるぞ」

俺に指摘されて、手元の置いた携帯電話で時刻を確認する
「勇者(バカ)」が「頂きます」と、言う也、食べ始めた

今年も

「勇者(バカ)」は、「魔法使い見習い(洒落んなんねえなあ)」を伴い
「氷の女王」に謁見する
作品名:徒桜 作家名:七星瓢虫