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「ほんのちょこっと街ある記」27/長崎、佐世保、諫早

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◆長崎市

今回は珍しく特急を利用して一人で訪れました。
西九州新幹線開業に合わせて新しい長崎駅の新幹線ホームが完成したこともあり、見学を兼ねていました。(建物など全体の完成はまだ2年ほど後らしい。)

過去において2〜3度しか利用したことがない長崎駅、凡そ20年前の駅構内や駅前の雰囲気が朧気なのは仕方ありません。
佐賀駅から90分ほどで着いた新しい長崎駅は予想以上に変わっていました。建物自体の大型化はもとより、駅周辺の大規模な再開発は、これから更に新しい街並みを出現させようとする長崎市の本気度を感じます。

知名度が高い観光地の窓口にふさわしい終点エリア、この勢いで西九州新幹線の早期開業を熱望するのは当然のことです。
関西地方・中国地方・福岡都市圏から直通の訪問者受け入れが、長崎県景気浮揚の第一義でしょう。それなのに新鳥栖駅と武雄温泉駅の間が全くの未着工に対して歯ぎしりが聞こえるようです。

そうは言っても単なる通過県となりそうな佐賀県、「はいそうですか…」とはなりませんが、ここは国の方針などに抗っても時間の浪費になるだけで、いろいろ私見もありますが早く中庸の方策を取って欲しいものです。
何よりも「西九州は一体!」の観点で考えなければ話は平行線。更に道州制の一部と考えて福岡・佐賀・長崎県で「北九州は一体!」との発想が必要のようです。

まあ、鉄道建設の話題は「街歩き」には特に関係ないので、話を進めます。
今回、一人で訪れたのは自由にそぞろ歩きをするためです。
 
駅裏付近の変貌が目立つ新しい駅を降りて、市役所などを横目に、駅前からそのまま2kmほど歩いて諏訪神社の参道下に到着。自分でも意外ですが諏訪神社は初めてでした。そしていつもは浜町方面から立ち寄る眼鏡橋も、反対側から違う角度で訪れると別物のように見えて新鮮です。
 
中島川河畔でしばし休憩して大波止方面へ向かいましたが、狭いエリアにギュッと詰まっている街並みの印象が強い長崎市内、しかしそれは勘違いで、道路が結構広くて42万人の人口に見合う街のサイズは十分に感じます。

今回は大波止のすぐそばにあるのに入場していなかった「出島」に寄りました。時代劇風の門から入場、場内では開港当時の資料や、一部残っている当時の建物でレトロ感が楽しめます。周囲は殆ど埋めたてられて、あの扇型の形そのものは残っていませんが、数年前に復元された家並みからも雰囲気は十分感じられます。

30分ほど楽しんで電車通りを長崎駅方面へ向かいました。この通りは長崎市内のメインストリートの一つで、これまで何度か車では通っていても、歩くのは初めてで見える景色も違います。

駅に着く頃になって、ついでに至近の高台にある「26聖人記念館」にも寄ることを思い付き、そのまま駅前を通過して10分ほどで高台下の案内標識に到着です。

ところが登ってみると坂道が結構きつく、その日の足の疲労が残っていたのか短い距離ながら思わぬ体力消耗で、年齢を思い知らされる羽目になりました。記念館には入館する気分になれず、レリーフだけの見学です。
その日は昼食を含めて3時間半も滞在、初めてしっかり中心部を歩きました。
 
しかし私のような「街歩き」でなく、車を利用すればまだまだ知見への欲求に応えてくれます。平和記念像、グラバー亭、2つの天主堂、中華街、稲佐山…とにかく見学するのに枚挙に暇がない都市が長崎市です。


◆佐世保市

1年に5~6回は訪れる街、佐世保市。
と言うと、長崎市に行く割合と同じような感じですが、たま~にハウステンボス周辺にも行くのを含めての回数です。
 
佐世保市は昔から軍港として国防の要所の一つなのは誰もが知っています。アメリカ海軍や海上自衛隊の、まさに基地の街というイメージが付きまとい、街なかでは米海軍の水兵さんともすれ違うこともあり得ます。

狭い土地を有効利用した市街地や天然の良港があるのは長崎市とイメージがよく似ていて、中心市街地は路面電車が無いだけで、住宅が密集している具合などもほぼ同じです。佐世保市は全体を横切る幹線道路の大通りが1本あるだけで、かなり凝縮された街並みです。

さて今回、久しぶりに佐世保駅のそばから「四ヶ町商店街」を歩きました。更に連続する「三ヶ町商店街」を含めるとアーケードが1km近くになり、直線では日本一長いと言われます。

そして訪れて面白い場所が多いのも佐世保市の魅力になっています。
弓張岳から見る港湾の景色がきれい、海上自衛隊の艦艇一般公開が面白い、そして何よりも「九十九島」の景観は松島を凌ぐかも知れません。
九十九島を巡る遊覧船(パールライン)のうち一隻は、箱根の芦ノ湖に浮かぶ遊覧船を一回り小さくした感じ。姿形がよく似ているので写真を見るだけでは間違えそう。

長崎県全体としては、長崎市の存在が大きいので佐世保市はそれほど目立ちませんが、ハウステンボスまで含めると、楽しく珍しい経験が出来る街なのです。
そして街の姿を佐賀市と比較されます。人口を比べると、佐世保市25万人に対して、佐賀市23.5万人とそれほど差はありません。
平野地に位置するので佐賀市の商業施設や官公庁などが散らばっているのに対して、佐世保市は商業施設も官公庁も公園も港もギュっと凝縮されて、一見して街に活気があるように見え、実際に中心市街地は賑わっています。

そんな佐世保市ですが、全国的な課題と同様に昨今の人口減に悩みがあるようです。何しろ日本の端っこの九州、その最西端に位置することは、人も物資も流通しづらい条件に当てはまり、新陳代謝がままならない深みにはまる可能性があります。

しかし、そんな深刻な状況とは切り離して考えると、ハウステンボスを含めた佐世保市・川棚町・大村市・諫早市から長崎市に至る「環大村湾の観光資源」は、訪問者を楽しませる資質が十分にあります。何しろ私たち佐賀県民でも、訪れる時はワクワクするエリアなのですから。


◆諫早市

年に数回は長崎市に出かけるのですが、長崎自動車道を利用するので大村市と諫早市はいつも通過しています。
それが3年前に諫早ICを降りて島原市へ向かう際に、諫早市内のバイパス道路沿いの街並みがそれなりに整っていたので、もしかしたら街の姿が私の好みかも知れん…と気になっていました。

令和3年11月に佐賀駅から特急を使って訪れた時は、西九州新幹線の開通に向けて「諫早駅前再開発工事」の真っ最中、1部分を残して新しい駅舎になっていました。
その時諫早駅は周辺の鉄道のターミナル駅だと初めて知りました。長崎本線以外にも大村線や島原鉄道の起点にもなっています。
しかし一歩外に出てみると、駅前周辺の街並みは期待通りとは言えません。長崎県中央の中心都市としては予想より寂しい駅前の姿に見えます。

駅を降りた時は歩いている人も車の通行量も少なかったのですが、再開発の一貫として駅の横に背が高いマンションが建っていて、これから整備される駅前の形に期待が持てそうな感じはありました。