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「ほんのちょこっと街ある記」26/福岡、久留米、大牟田、熊本

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それが10年ほど前から、仕事がらみで年に1回は訪れるようになり、街の中心にあるゆめタウンそばの「三井化学工場」の体育館で開催される地区のイベントに参加するようになってから、大牟田市のイメージが一新しました。

どこか寂しい街並みを想像していたのが、とんでもない。確かに歩いている人は少ないのですが、人口20万人超を誇った頃の街並みの姿を保ったまま推移しているようで、とても12万人以下とは思えない雰囲気があります。

古いメインストリートは、決して活発に動いている訳ではないのに、街の中心付近には10数階建てのマンションも多く、更に市役所前や大牟田駅前では元気が感じられるのは不思議です。

国道3号線はもとより、九州自動車道・九州新幹線・JR・西鉄・最近竣工した有明沿岸道路と多岐にわたる交通手段が揃っていて、しかも殆どのインフラが新しく、古い交通機関が見当たらないのが衰退イメージを払拭する要因かも知れません。

私は意識していませんでしたが、お隣の荒尾市とは街並み(人口集中地区)が連続していて、それが県を跨いでいるのが珍しく、全国的にも稀有な事項のようです。
大牟田市約11.5万人+荒尾市約5万人=16.5万人の街が存在すると思って良いでしょう。県境が無ければサッサと合併していたかも知れません。
 

◆熊本市

令和3年4月に熊本駅が新しくなり、その2ヶ月後に見学に行きました。
駅の乗降スペース自体はまさかの平屋のように見えましたが、勿論高架駅。駅前の再開発がまだ進行中ですが、やっと政令指定都市の玄関口として面目躍如となりつつあり、すぐ横に建てられた13階建てのガラス張り建物が本当の熊本駅ですかね。

これまでの駅とは大違い、一気に大型化して飲食店や多彩な店舗など180件ほどが展開、賑やかな姿に変貌しました。
但し、駅(裏側)の新幹線口は住宅地にしか見えず、駅構内や正面の東口に比べて華やかさの落差に驚かされます。すぐそばの山が邪魔していますね。

それはともかく、一つの心配は熊本駅が市中心部から少し離れているので、駅前の再開発が中心部に対して商業的な影響をどのくらい与えるかです。
熊本駅周辺の再開発規模を見ると、いわゆる「街の2極化」に進まないとも限らず、旧市街地の人出が奪われる懸念が出るかも知れません。

駅と中心市街地に「隙間距離」が微妙に存在するのは確かです。人口70万人超の熊本市なので杞憂とは思いますが、100万都市でもないので微妙でしょうか。

その他の九州の都市では、駅と駅周辺の大規模な再開発を実現した鹿児島市、大分市、そろそろ完成しそうな宮崎市、数年後には姿を現す長崎市など、夫々の駅前は市街地になっています。
そして基本的に駅は市街地の中心地です。
 
また、熊本市はバスセンターが中心市街地にあり、熊本駅には無いのです。路面電車が来ているのでバスが無くても良いのですが、大都市の駅前にバスセンターが存在しないのはあり得ない、交通連携が取れていないと思われても仕方ありません。
 
ところで、熊本駅が市街地から何故3kmも離れているのでしょうか。
理由の一つとして、明治時代に鉄道が敷設される時、既に大きな街は元々市街地が形成されていて、鉄道は施設スペースの確保や蒸気機関車の煙が街を汚すので市街地を避けたのです。
特にお城の近くには、当然のように駅は造られなかったようです。

その後、鉄道が発達するにつれて、特に戦後復興時や経済成長期の都市化により、次第に駅の周辺には新しい市街地が形成されました。
主な都市では旧中心市街地と駅周辺の新市街地が2ヶ所に分かれて両立したようです。
 
東京駅は外国からの賓客を迎える為、皇居まで600mしかありませんが、他の都市は、大阪・名古屋・京都・福岡・広島・金沢…等々、メイン駅は中心市街地から2~3km離れていても、核になる街並みは駅周辺と市街地に2ヶ所存在します。
そう考えると、駅周辺が長い間変わっていなかった熊本市の場合は珍しいケースと言えます。
 
今後の熊本駅周辺の変容具合を見たいところですが、何せ人口が減少して国力が下降気味の日本、これから熊本市中心市街地と熊本駅周辺市街地がくっつくことはあり得ないでしょうから、2極化の心配が本当になるかも知れません。