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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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 母は呆れて、「お世話になりましたね」と言って、エプロンをはずして、マンションを後にする。
母が去った後、信介は難しい顔で、煮つけに箸をつける。
珍しく重苦しい沈黙の場面だった。

 ハッと気づいたのか、慌てた信介は母の後を追う。
この辺はシリアスドラマ風だ。(尾崎将也さんの脚本の奥深さを感じる)

 しかし、女性(母)は切り替えが早い。
偶然出会った、信介の隣室に住む女優の卵と、女弁護士のまどか、(吉田羊)、喫茶店の稲森いずみ、妹の娘の由美の5人で、さっそく自分の誕生日パーティを開いて楽しむのだった。

 パーティが終わり、母と由美はタクシーで妹夫婦の家へと向かう。

 信介はタクシーを追いかけて、やっと誕生日プレゼント、ルシャノワールの香水(まどかの入れ知恵で購入)を母に渡した。

 信介はテレながら、「どうせ、匂いなんか興味ないだろう」と言ったが、
母は、「うれしいわ、女は幾つになってもこういうのが嬉しいものなのよ。意外とやるじゃないの!」と信介の胸をトンとついた。

 そして、付け加えた。
「こんなふうにお誕生日に物がもらえることって、あと何回あるかしらね。・・・・。いつまでもあんたの傍にいられるわけじゃないのよ」(このセリフでしんみりさせるが・・・)