「オオカミ婆ちゃん」なのか
16歳になって「後期高齢猫」になったが、まだまだ元気で長生きしそうな猫を見て、ヤブ田は思った。
〈私もうっかりすると猫より先に死んでしまうかもしれない。そうなったら猫は困るだろう。そうだ、私は猫のために元気で生き続けなければならない〉
生きてゆくためには、心身ともに健康が必要だ。
「心身の健康」この当たり前のようなことが、今では夢となった。しかし気持ちだけは負けたくない。
過去を変えることは出来ないが、少しでも明るい未来が欲しい。
そのためには、心と身体のリハビリが重要だ。
心身を鍛え直して、猫が病気になったら介護出来るように準備しなければならない。
猫から介護されることは期待できないが、猫は介護してもらいたいだろう。
私には介護保険があるが、猫は保険に加入していないからだ。
身体のリハビリは毎日の筋トレと散歩など。
そして、頭のリハビリには人と人とのコミュニケーションが大切である。
そう、この『ドクター・ヤブ田の、夢よもう一度』は皆様とコミュニケーションを図って、同時にヤブ田自身の心の働きも向上させようという企みである。
そんなヤブ田の思惑が成功するかどうかは、私の努力と皆様のご協力が大きな鍵を握っている。
どうかよろしくお願いします。
作品名:「オオカミ婆ちゃん」なのか 作家名:ヤブ田玄白