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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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 あと2駅で終点というところで、ヤブ田の頭の中は、トイレに駆け込むことで一杯になった。

 終点の一つ手前に来たとき、終点で停まったら、すぐに駅のトイレに突進しよう、と決心した。そうすることで、乗り継ぎのバスに乗り遅れる可能性は十分あるが、この苦しさから一刻も早く逃れるためだ。タクシー代720円の出費も仕方ないとあきらめた。

 最後の一駅の時間の長かったこと。
ヤブ田は真っ先に電車から下りて、駅内のトイレに向かった。
その時の嬉しさと言ったら例えようもない。
今年最高の瞬間だったろう。
そして、諦めてはいたが、念のため、駅前のバスターミナルを見ると、まだいつものバスが待っているではないか。〈ラッキー!〉
発車間際、バスに飛び乗った。

 続く