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HERRSOMMER夏目
HERRSOMMER夏目
novelistID. 69501
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*三行詩抄: 問答歌 ・落穂選 *蝶の唄

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*
【 内容・一覧 】: PV.1778.

 1. 三行詩抄、問答歌 :Drei Linien Verse :
2. 愛の比喩、二隻のヨット:マイヤー; Mayer
* W.Raabe :ラーベ
3.「奇妙な決闘」に関する逸話:クライスト: Kleist
* Ein alter neugieriger Mann:
4. 蝶の唄;
Der schwalben schwanz Schmetterling;

5.【落穂選 】: Morgen-Kaffee des kalten Tages:
  【落穂選 Ⅱ.】: GOETHE SÄMTLICHE WERKE;
  【落穂選 Ⅲ.】: 蟋蟀 きりぎりす

* 索引を読む:リエンツォーとブルーノ
* - * -
 6.【Prof.イモヌスと騎士文化:】:Ritter-Kultur
7.【タンダラダイとミンネ 】:niedre Minne;
* - *-
8.【鷗外の諸国物語と芥川】:
9.【語彙詩: 前に + 置く 】vor+ stellen;

10.【鮫島先生と安曇くんと夏里】:夜のラビリンス
* 愛の園: Der Liebe Garten

  * - * - )
11.【メモ:アト・ランダム】:翻訳編
      孔子と子路

*-  ))) * -
1. おーい こころ弱きもの 
   なぜ そんなに 表情かたく
    深刻をていしているのか 

 と徳丸くんが夢に忽然と姿をみせると声をかけてきた。顔には張りがあり、色艶もよく、元気溌剌としている。
 Warum hast du so trauervolles ,so hartes Gesicht gezeigt ?
Was ist los ?.

 2. やあ きみか で きみは いったい誰だっけ?..
 見知らぬきみに やさしく
      声かけられるなんて

       と云うと、相手は小首をかしげ、まじまじと見てきた。
 Oh ja, du bist !
Aber ach, wer bist du eigentlich ?
Du, der Fremde !

3. いいぢゃないか 誰だって
     沈んだ様子が いやでなあ
       励ましてやろうと おもってな

 と云うと、おれは嘗ての親友、徳丸五十だと名乗った。そういえば、そんな彼がいたのが思い出されてくる。頭は切れ面倒見はいいが、性格が真面目すぎるのか、意に添わぬことをいうと、声を荒げてくるおとこだった。

 Es ist ganz und gar egal, wer ich bin .
Nur schade, dass du so trauervoll bist,
Und deshalb möchte ich dich erkräftigen.

4. メルスィ・ボークー
    きみのように 明るく
  元気であればなあ

  徳丸くんには妹がいた。色白の可愛い大学生だ。彼の父親は某省の官僚で局長になった人だが、近ごろ、まだそんな年でもないのに亡くなったらしかった。というのも、誘われて彼の家に行き、ソファーで紅茶を飲みながら小さな庭の芝生を見ていると、幾人かの人が出入りしていて忙し気に思えたのだ。帰り際に、K.狛駅に向かっていると、ポツリと、済まなかった、忙し気で、父が先ごろ亡くなってね、部下の人が焼香にきてくれていたものだから。そうか、そうだったのか、・・常日頃、笑顔は見せず、真面目そうな顔ばかりしている男だから、心の中の淋しさまでは見抜けなかったのだ。いや、そんなこととは知らず押しかけてしまって恐縮している。まあ、気にしなさんな、誘ったのは僕のほうなんだから、とそんな話をしながら駅につき、別れて新宿に向かいながら、彼もひとがわるい、なにもそんな時に誘ってくれなくてもよかろうに、と思う反面、だからこそ口にも気持ちの上でも出すまいと思いながらも、どこか寂しかったのだと推察していた。
 
  Ich danke dir herzlich, Merci beaucoup !
Wäre ich immer gesund und tapfer,
Und wohl und hell wie du !

5.  伝授しようか 元気の秘訣
    それは もたぬこと
   目に見え すぐに それとわかるものは

  徳丸くんの研究テーマは確か、ドイツ後期ロマン派のティークだった気がするが、Tieckにそんな小説や評論があったのかと思いつつ、よく知られた「王女マゲローネとプロヴァンスの若き騎士ペーターの不思議な愛の物語」を思い浮かべていた。

  憐れとおもうな 王女を手招けば /恋のやつれる こともなき / この生が 黄泉へ落ちるまで /流れは遠く 空は穏やか 日和よく/ 櫂さばきも 楽しけれ / 恋と生は ともに 奥津城までと

Geheimnis möchte ich dir erklären,
Das Geheimnis der inneren Gesundheit ;
Das ist ja gerade das , daß man nicht das Ding haben darf.

6. なにを言い出すのか いったい きみは?
    哲学者? それとも 宗教家 ?..
  もたないで どうして生きてゆける ?

  哲学者といえば、こんなことを想い出す。ある時、いつものようにK.国屋
書店に行ったときである。偶々、講演会があった。ヘーゲル研究の権威であると後に知ったのだが、I.波書店から何冊もの哲学書を上梓しているT.大学教授の碩学某氏の講演だったが、滑舌が良くなく声は聞き取りにくく、何を語っているかもよくわからないうちに話は終わっていたのだ。すると、次に演壇に立った中年の男は、その哲学者の前で深々と頭を垂れると話し始めていた。と、こちらは話し声もよく通り、分かりやすく、話が終わるや、演壇上の席に座っていた先の哲学者の前に行くと、ふたたび恭しく頭を垂れたのである。

 Was hast du eigentlich gesagt ?
Du, ein Philosoph ? ..
Oder ein Religiöser Mann ?
Wie kann man doch denn leben in dieser Welt
Nur eben mit Sich-Selbst-Sehen und -Erkennen ?

7. ほらきた 道に逸れた 俗なる思想 ?!
       それから 解脱すること
      これ すなわち わが教え!