左端から見れば全部右寄り Part 8
7.3.10から77年
3.11と聞けば誰もがあの大震災と恐ろしい津波を思い浮かべるでしょうが、3.10と言ってもピンと来ない方が多いでしょう。
一昨日のことになってしまいましたが、3月10日は東京大空襲から77年目にあたる日でした。
3月10日、午前零時半ごろから主に墨田川流域辺りにB29が大挙して飛来して大量のM69焼夷弾を投下しました。
M69焼夷弾は空中で破裂してそれぞれ50余りの小型ナパーム弾をまき散らし、街を火の海に変えたのです。
ちなみにナパームとはジェル状に加工したガソリンのこと、日本の家屋は屋根こそ防火性能が高い瓦でしたが、室内は襖や障子、畳と言った燃えやすいもので出来ています、アメリカ軍は軍事施設や工場へのピンポイント爆撃から安価で容易に製造できるM69を使って東京を焼き払う作戦に出たのです。
その炎は約24時間燃え続け、いわゆる下町一帯を焼き尽くし、10万人もの民間人を焼き殺したのです。
そして現在ウクライナではロシアの侵攻と必死の抗戦が繰り広げられています。
その3月10日、ロシアは小児病院を爆撃したそうです、東京大空襲や、長崎、広島とは桁こそ違いますが、許しがたい蛮行であることは同じです。
この連載の内容から、私は好戦的な人物だと思われているかもしれませんが、私はいかなる理由があろうとも侵略戦争には反対です、現状を武力によって変えようとすることは蛮行でしかないと考えています、まして民間人を狙った攻撃は鬼畜の所業と言っても良いでしょう。
ですが、防衛力、抑止力は別です。
今回のロシアのように、未だに現状を武力によって変えようとする覇権主義国家は存在します。
77年間もの長きにわたって戦争も内戦もなかった日本に暮らしていると、つい戦争などあり得ないことのように考えてしまいがちですが『侵攻されると言う事は今の世の中でもありうることなのだ』と言う事は今回の侵攻で日本人も改めて気づかされたのではないかと思っていますし、そうであって欲しいとも思っています。
日本の有事に思いをはせた時、私の頭に真っ先に浮かぶのは赤い国旗を掲げる大国です。
昨年、中国が香港に何をしたかはまだ記憶に新しいですし、ウィグルでのジェノサイド疑惑(私の中では疑惑でなくて確信ですが)も払拭されていません。
同じことはモンゴルやチベットでも起こっています。
2008年の北京夏季オリンピックの際には『フリー・チベット』が叫ばれましたが、いつの間にか沈静化してしまいました、チベットが自由と自治を取り戻したわけでもないのに……。
考えてみてください、中国が日本を欲しない理由がありますか?
人工は1割増しで経済規模は2倍近くになり、工業生産技術は高く、環境保全のノウハウも持っているのです。
しかも『平和ボケ』していて侵攻される可能性など露ほども考えず、核を持たないどころか非核三原則などと言うものを国是としていて、自衛隊にすら手枷足枷を巻きたがるのです、『平和を愛する国民』と言えば聞こえが良いですが、実際には『平和であることを妄信して油断している国民』だと言えるでしょう、背後に見え隠れするアメリカの影さえなければこんなに侵略しやすい国はありません。
荒唐無稽に聞こえるかも知れませんが、中国の究極の目標は『世界征服』なのだと考えています、日本を盗ることはその大きな足掛かりになるでしょう、地理的に見ても中国が太平洋に進出して行くためには日本列島はどう見ても邪魔ですし。
今回、ロシアはウクライナ侵攻に失敗し、かなりの打撃を受けそうな状況になりつつあります、中国は当初ロシアの肩を持つようなスタンスでしたが、形勢不利と見るや掌を返すように経済制裁に参加する意向を示しました。
ですが、私はその本心はどこにあるのかわからないと考えています、少なくとも中国はロシアを本気で制裁しようとは考えていないでしょう、ロシアが疲弊するだけ疲弊したら手を差し伸べて中国を上位とする同盟を結ぶ、可能ならば傀儡政権を立てたい、それくらいのことは考えているのではないかと思っています。
今回、『ウクライナは犠牲が大きくならないうちに降伏すべきだ』と言う意見がマスコミから流れて来ています。
全くもって余計なおせっかいであり、失礼極まりないことです、ロシアから祖国を守るために戦うのか、それとも諦めて降伏するのか、それはウクライナの人々が決める事であって、外からどうこう言うべきことではありません。
『キエフから一歩も引かない』と決意表明しているセレンスキー大統領の支持率は90%を超えているそうです、ちなみに侵攻を受ける前は50%前後だったのが跳ね上がっているのです、つまり、ウクライナの人々は戦って祖国を守ることを決意したのだと言って良いfでしょう、ならばウクライナのために何ができるかを考えて極力効果的な方法で支援するのが正しいと思います。
そして、『犠牲が大きくならないうちに降伏すべきだ』と主張する人々は、ウクライナにかこつけて日本人に刷り込みをしようと考えているのではないか、と疑っています。
以前、日本を弱体化させたくて仕方がない人々がいる、と言うことを書きました。
その考え方に立って見れば、彼らは『もし中国が攻めてきたらさっさと降伏した方が良いよ、そうでないとあなたやあなたの大事な人が犠牲になるかも知れないよ』と言っているのはないかと言う事です。
逃げたければ勝手に逃げれば良いのです、それを止めはしません。
ですが、戦わずして降伏することが最良の道と刷り込もうとするのはやめていただきたい。
ゼレンスキー大統領の決意を『若さが馬鹿さになった』とくさした議員もいました、国を、故郷を、自分にとって大事な人達を守って戦うことを馬鹿にするのもやめていただきたい。
そんな主張をする人々を、しばしば『お花畑』と称しますが、ことマスコミや政治家に限れば『お花畑』などと言う平和的で綺麗なものではありません、『毒草畑』とでも呼ぶのがふさわしいと思います。
作品名:左端から見れば全部右寄り Part 8 作家名:ST