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ネコと少年とお局と

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相も変わらずビシビシと説教をしていた。
「申し訳ございません」
昼休憩になり凜子はまた休憩所にある自販にコーヒーを買いに行くと
「なーあの経理課長代理さ・・・」
「あー鬼お局ね・・・」
「何かさ・・・デスクにネコの写真飾ってるらしいぞ」
「ほんとかよ・・・」
「ほんとだって・・・経理部の同期から聞いたし」
「男に振られてついにおかしくなったんじゃねーの?」
「あー言えてるな・・・そうかもしれない」
総務部の若手社員の連中がまたもや自分の噂話をしているようだった。
いつも通り気にしないで凜子は自販で缶コーヒーを買うと素知らぬ顔で休憩室を出て行った。
「おい、今の聞かれちゃったかな?」
「さあ・・・」

昼休憩が終わり凜子はまた仕事に戻った。
「あんたたち私これから管理職会議があるからしっかり仕事してなさいよ」
そう叫ぶように指示を出すと凜子は会議室へと向かっていった。
廊下を歩いて会議室の前までくると
「失礼します」
そう言って凜子は部屋の中へと入っていった。
経理部の社員たちは鬼上司がいない間ほっと安心するかのようにお互いに顔を見合わせながら少しだけ喜んでいた。そしていつも通り仕事に戻った。
経理部は一番奥に部長席があり、その隣の両側に向かい合うように課長席と課長代理席があった。凜子は今会議に出席中なので課長代理席には誰も座っていなかった。デスクの上はきれいに整理整頓されていて必要な書類以外無駄なものは何一つ置いてなかった。ただミルクの写真だけが綺麗な色の縁をした写真立てに飾られてデスクの端に置かれていた。
ミルクはとても幸せそうな表情をしていた。














作品名:ネコと少年とお局と 作家名:片田真太