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サレジオの器

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会社からクビ宣告を受けた修一は帰りがけに地元の駅前にある和食料理屋のカウンター席で浴びるように酒を飲んでいた。ほとんど料理は手つかずで酒ばかり注文するもんだから、店主は
「うちは居酒屋じゃないんですけどね・・・」
と嫌味言ってきた。
「おい、どうしたんだ!修一」
父の立彦はそう言いながら玄関先でぐったりと寝転んでしまった修一の肩を抱きあげて何とか部屋まで連れて行った。
「ったく・・・酔いつぶれるまでに飲んだくれるなんて珍しいじゃないか。」
立彦は呆れるようにあくびをしながらベットでぐでんと大の字になりながら寝ている修一を見ながらそういった。
「グーグー」
修一はその場で意識を失いそのまま眠りについてしまったようだった。
「ったく・・・風呂ぐらい入れよ・・・おい、修一・・・修一!」
修一は完全に昏睡状態に入っていた。
「しょうがねーな・・・明日朝起こすからな!」
そう言うと立彦は、がっかりしたような感じでしぶしぶ部屋から出て行った。


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作品名:サレジオの器 作家名:片田真太