ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
今のところ、人間にとって、尿酸はタンパク質の最終産物ではなくて、「プリン体」の最終産物である。
プリン体とは何か? 出来の悪い医学生は、
「エッ、プリン体? まさか、あのプリンじゃないですよネ。」と笑って誤魔化そうとするが、冗談でない。
プリン体は、もちろんプリンではない。
ババロアでもないし、ヨーグルトでもない。
プリン体は、「核酸」といって、細胞の核の中でDNAを構成する物質のことだ。
尿酸が増えるとどうなるのだろう?
足の親指の付け根の関節などに、針のような尿酸結晶を作って刺激するため、ひどい痛みがでる。
「痛風」だ。
「痛風」とは、風が吹いても痛いというところからきた言葉だ。
「痛風」の痛みは経験がないのでわからないが、虫歯や痔よりは痛いらしい。
財布を落とした時の痛みと同じぐらいなのだろうか?
近所に、痛風のため歩けなくなって、それ以来奥さんから、尿酸に悪いといわれる食べ物をすべて禁止された友人がいる。
ビールは悪いからと焼酎ばかり飲んでいる。
焼酎だって、飲みすぎたらビールより悪いはずだ。
奥さんのほうは、もともとスマートだが、それをいいことに何でも平気で飲んだり食べたりしている。
痛風は大丈夫かもしれないが、そのうち自慢の体型も損なわれる恐れがある。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白