ドクターヤブ田の、血液型大研究
冬休みになった。
連日の実験で疲労していた私は、医局の規定通り、年末は休んで一人信州に旅に出た。
三日ほどして帰宅すると、下宿のおばさんが、「大学の〇〇さんと言う人から毎日電話がありましたよ」と言う。仕方ないので折り返し電話すると、正月前なのにボスは研究室にいた。
「おはようございます」
「ああ、おはよう。どうしてたの?」
「はい、休みなので、休んでました」
「・・・・。いや、それはちょっと困るんだよねえ。」
「は、そうですか」
「研究室のバランスがとれなくなるんだよ。君だけ休まれると」
私は意外な言葉に驚いたが、
「はい、わかりました。」と言って電話を切った。
結局、その年は年末から年始の三日まで大学を休んだ。研究室も行かなかった。
ネット情報によると、AB型とA型の相性はワースト2(因みに1位はA型とB型)
なぜかというと、A型は他人の評価に敏感。人目を気にする。
対してABは人のことをあまり気にしない。ルールや常識に縛られることを好まない。
真面目で融通の利かないA型は、AB型の気まぐれな行動が理解できない。
AB型は人と距離を置いて付き合うので、細かいことに口出ししがちなA型とは、ますます距離感を保ちたくなる。・・・・だそうです。
ヤブ田とボスの関係はまさにそのとおりだった。そして、リトルボスとヤブ田も年の差があるので緩和されていたが、もし同年配かヤブ田が後輩なら、そのとおりになっていただろう。
作品名:ドクターヤブ田の、血液型大研究 作家名:ヤブ田玄白