「ほんのちょこっと街ある記」 24/前橋、高崎、川口
高崎市の市街地は3年前に富山市の市役所の展望階で見た街の規模とよく似ていて、昨日訪れた「背の高い群馬県庁」の建物もそれほど離れていないような所にはっきり見えます。
高い場所から見ると10kmはこれくらいの距離なのかと感じさせました。
市役所からUターンして、来た道路とは違うコースで駅の方へ戻りましたが、街のイメージとしては(あくまで私が見た範囲ですが)あの市役所が目立ったということは、周辺の街並みが私の想定より少し小振りだったのかも知れません。
ところが高崎駅を通り過ぎて反対側に行ってみると、大型家電店などが入る商業ビルなどの大きい建物が広い道路沿いにデンと控えていて、やはり群馬県の中心都市はこっちだと思わせるイメージがありました。
ところで前日訪れた水戸市と比較するのは良くないでしょうが、街の潤いが少し不足しているような感じを受けてしまうのは、私の気分のどこかに「上州のからっ風」という言葉があるのかも知れず、それは前橋市も同様でした。
「からっ風」は、暑い夏ではなく冬に使うフレーズとは思いますが、知らぬ間に沁み込んだイメージはおいそれとは払拭出来ないもので、群馬県にとっては迷惑でしょうね。
さて、夕方4時頃までに羽田空港に着くためには、お昼前には高崎市を離れる必要がありました。何しろわずかな時間ながらも大宮駅と川口市で途中下車というスケジュールだったのです。
◆さいたま市(大宮駅西口)
高崎駅から特急「Maxとき316号」で大宮駅まで約30分。
沿線には過去に日本最高気温を記録した熊谷市もあったのですが、そのことを知らなければ特に気に留めることもなかったかも知れません。
そのまま通過して、川口市へ行く前に大宮駅の西口界隈を見るために30分だけ途中下車です。4年前に大宮駅の東口だけを見たのですが何だか古いイメージしかなかったのが気になっていました。
改めて降りた大宮駅の西口は、東口に比べて確かに近代的な都会の雰囲気がありました。4年前にすぐ隣の「さいたま新都心エリア」を見ていたので、新都心の続きのような感覚で見ると良さそうです。
ただ、東口界隈の下町風な趣も捨てがたく、前回は駅前の狭いアーケード通りの大衆的な食事処で摂った大衆的なメニューの昼食が印象に残っています。
大宮駅は昔の面影が濃い東口と、新しさが際立つ西口はまさに好対照と言えるようです。
◆川口市【人口 約58万人】
大宮駅から京浜東北根岸線で20分ほど、川口駅に到着です。
訪れるまでの私が持っていた情報を総合すると、この街は高層マンションが目立つ街でいかにも東京のベッドタウンのようだ…と感じていました。
川口駅東口から出ると、周辺に限っては商業的な街並みと言うより「大規模な集合住宅都市」のイメージがあったのは予想通りだったようです。
実際、駅周辺だけでも30階以上もあろうかと思えるマンションが一目で分かる範囲に数カ所も建っています。
ふと、面白おかしく表現されていた映画「跳んで埼玉」を思い出しました。
通行手形を使わないと川口から赤羽まで行くことが出来ない、などという全くの奇想天外さは笑わせてくれました。
あの映画を観ていたので、どんなローカル的なところがあるのかと思いきや、やっぱり街並みの中に高層マンションがかなり目立ちました。「ダサイタマ」と揶揄されたのは、もうずいぶん前のことでしょう。
もちろん駅周辺の景色はそれなりに大きな都市であり、駅西口のすぐそばには公園も広がって、密集の中にもどこか街としての余裕を感じさせる部分もありました。
58万人前後の人口を抱えているのは、政令都市を除けば、船橋市、鹿児島市、八王子市くらいしかありません。わずかな滞在時間ではありましたが、それなりのレベルはあったようで、やっぱり立ち寄って良かった。
駅近くの小さい飲食スペースで軽めの昼食を済ますと、そろそろ午後2時30分を過ぎる頃でした。
その日は全くの駆け足でしたが、それでも交通の便が良く、予定通りに午後4時前に羽田空港・第2ターミナルに到着。4時40分発の飛行機に十分間に合いました。
作品名:「ほんのちょこっと街ある記」 24/前橋、高崎、川口 作家名:上野忠司