倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」23/柏・水戸
【柏市・水戸市】令和3年9月
令和3年9月の時点で、私がまだ行ったことがない県庁所在地は、水戸市・前橋市・徳島市・那覇市の4市。
今回はこのうちの水戸市と前橋市、それに加えて高崎市、更に柏市や川口市などに立ち寄ることにしました。
関東地方と言えばどうしても東京や神奈川などに偏りがちになるので、北関東には行きそびれていました。まだまだコロナ禍の時期でしたが、感染対策を意識しながら暑い中を急ぎ足での水戸・前橋・高崎の街並み確認です。
2泊ではありましたが、東京からの交通の便は良いので日程は組みやすかった。
その際に、東京周辺の都市は人口が多いので、もちろんどこか他の街に立ち寄るようにしなければ勿体ない。
何しろ羽田空港から茨城県に向かうルートには千葉県があり、群馬県から羽田空港までのルートには埼玉県があります。
両県には40万人前後の都市がいくつもあり、1~2時間程度であっても途中下車が出来ると思い、数都市を見ることにしました。
候補に挙げたのは松戸市・柏市、そしてさいたま市(大宮)・川口市でした。
4市とも40万人以上の人口を数えるので、私としては単に通過するのではなく、せめて駅周辺だけでも街並みを確認したかったのです。
出かけたのは令和3年9月初旬、その時は台風16号が関東地方の南の海上を通過する時で、福岡空港からも飛行機が飛べるかどうかの懸念がありました。
前日のネット情報では欠航とはなっておらず、通常通りのフライトでしたがどこか不安な部分もあったのです。
実際、福岡から出発するまでは定刻でしたが、羽田空港に近づくにつれて機長の機内アナウンスでは「安全のため通常のコースを避けて大きく円を取って着陸します。」とやや慎重な言葉でした。
具体的にはどういうことか分からないのですが、到着予定の時間から7~8分ほどの遅れで済んだのは、飛行機に搭乗することに対して今後の信頼感を与えてくれました。
さてその日の午前中は台風の影響でやや強い雨模様、持参した折りたたみ傘が有効でした。もちろん羽田空港からモノレール利用の浜松町まで、そして常磐線利用の松戸駅までは傘は不要でしたが、駅から外に出たら手放せません。
まだまだ雨が降っていましたが、まず松戸市で途中下車したのは予定通り。
松戸市の人口はお隣の市川市と並んで約48万人となっていて、柏市より6~7万人ほど多いのです。
ただ、松戸では荷物をロッカーに預けるほどの滞在時間ではないと思ったので、キャリーを引きながら傘をさして歩いたのですが、歩くのは難儀しました。
松戸駅構内で市内地図を手に入れたのですが、これが8折のA2サイズほどもあり手に持って歩くには全く不向きです。
観光案内地図は持って歩くことを前提にして、ひと目で市街地が分かるように地図を広げなくても片手で持ち歩けるように作るべきですね。
松戸駅を降りて、目の前の大型店舗のような複合ビルから駅周辺を見回したのですが、土地に余裕が無いのか駅周辺はせせこましいの一言です。
その建物の2階から見る限りでは道路も狭く、街や建物はゴチャゴチャ感がいっぱい。雨が降っていて歩きづらいこともあって、とても周辺を歩く気にはならずに30分も経たないうちにそそくさと松戸を離れました。
◆柏市【人口 約41万人】
3年前に船橋駅に降りた時も少し感じたのですが、東京に隣接する千葉県や埼玉県の都市は人口増に街の整備などが追い付いていない感覚を持つのは仕方がないことでしょうか。
松戸市駅前の雑々と凝縮された街並みの印象がまだ記憶に残っていて、もしかしたら柏市も似たり寄ったりのイメージかも知れんと思いながら、お昼過ぎ頃に柏駅に降り立ちました。
柏駅そのものは、東口・西口以外にも南口改札口があり、構内の広さもそれなりに人口に見合うようなサイズはありました。改札口を出ると2階広場があり、周囲を7~8階建ての商業ビルが囲んでいます。
そろそろ傘が不要になって来たので、柏市にいる間だけでもやっと荷物から解放されて駅のロッカーに預けられると思い、コンコースの売店のおばちゃんにコインロッカーの場所を尋ねました。
「ああ、それなら1階のタクシー乗り場の横にありますよ。」との返事。「タクシー乗り場が分からんのですが…。」
まあ階段を降りたら分かるやろうと思ったのも束の間、探し当てたロッカーはなんと老朽化の理由で閉鎖中。
柏駅とあろうものが老朽化したコインロッカーを取り替えないのか、と思ってもどうしようもない。40台くらいはあったのに使えない、もう1度ロッカーを探すのも面倒で、ましてやゆっくり預ける時間的な余裕はあまり残っていません。
と言うわけで、またしてもキャリーをゴロゴロ引いて駅周辺を彷徨。
そのキャリーを引いて食事処へ入店するのは少し気が引けましたが、幸いフロアが広めのお店に入れたので荷物を気にせずに昼食を摂れました。
ところで、東京というメガシティー周辺には30万人~50万人ほどの人口を抱える多くの都市があり、トータルすれば夥(おびただ)しい人口を数えています。私にとって「その街の特徴は何だろう」と自問すると、それを捉えることが容易ではないと感じます。
ディズニーランドを抱える浦安市のような自治体は別として、人口は多くても街々の個性を思いつかないのは自分にとってはどこか悔しさがあります。
私が無知なだけなのでしょうが、しかし私の思惑内には地方の都市なら人口40万人と言えば、かなりの確率で○○が有名とか△△が特徴的とか思い付くのですが…。
それは大阪市や名古屋市周辺でも似たり寄ったりで、特に東京都周辺ではより顕著です。千葉県で言えば、多くの人口を抱えていながらも私が街の特徴を理解出来ていない代表的な都市が市川市・松戸市・柏市など、加えて船橋市もそうかも知れません。
柏市に関して、せっかく訪れたのに申し訳ないようですが、もはや特筆するような感慨がないのは街に対する思い入れ(先入観)が少なかったからかも知れません。
どうせなら柏市役所まで見ようと思い15分ほど歩きましたが、どう見ても人口41万人の市役所にしてはショボいのです。
今更ながら感じてももう遅いのですが、それまでの自分の信条だった「人口の多寡による街歩き」の虚しさを感じてしまいました。
しかしそれでも帰路に予定した大宮駅周辺と川口市に立ち寄ることを変更しなかったのは、予定だったとは言え「自分の性(さが)」に嫌悪してしまいます。
とかなんとか思いながら、いよいよ今回の街歩きの本命である水戸市に向けて、柏駅から「特急ときわ67号」に乗車、約1時間で水戸駅に到着しました。
◆水戸市【人口 約27万人】
水戸市と聞いてまず思い出すのが、私の中では水戸黄門を差し置いて、江戸時代・幕末期の水戸藩校「弘道館」。その名称が佐賀藩の「弘道館」と相まって、親しみと共に何故かわずかな畏敬の念さえも抱きながらの訪問でした。
令和3年9月の時点で、私がまだ行ったことがない県庁所在地は、水戸市・前橋市・徳島市・那覇市の4市。
今回はこのうちの水戸市と前橋市、それに加えて高崎市、更に柏市や川口市などに立ち寄ることにしました。
関東地方と言えばどうしても東京や神奈川などに偏りがちになるので、北関東には行きそびれていました。まだまだコロナ禍の時期でしたが、感染対策を意識しながら暑い中を急ぎ足での水戸・前橋・高崎の街並み確認です。
2泊ではありましたが、東京からの交通の便は良いので日程は組みやすかった。
その際に、東京周辺の都市は人口が多いので、もちろんどこか他の街に立ち寄るようにしなければ勿体ない。
何しろ羽田空港から茨城県に向かうルートには千葉県があり、群馬県から羽田空港までのルートには埼玉県があります。
両県には40万人前後の都市がいくつもあり、1~2時間程度であっても途中下車が出来ると思い、数都市を見ることにしました。
候補に挙げたのは松戸市・柏市、そしてさいたま市(大宮)・川口市でした。
4市とも40万人以上の人口を数えるので、私としては単に通過するのではなく、せめて駅周辺だけでも街並みを確認したかったのです。
出かけたのは令和3年9月初旬、その時は台風16号が関東地方の南の海上を通過する時で、福岡空港からも飛行機が飛べるかどうかの懸念がありました。
前日のネット情報では欠航とはなっておらず、通常通りのフライトでしたがどこか不安な部分もあったのです。
実際、福岡から出発するまでは定刻でしたが、羽田空港に近づくにつれて機長の機内アナウンスでは「安全のため通常のコースを避けて大きく円を取って着陸します。」とやや慎重な言葉でした。
具体的にはどういうことか分からないのですが、到着予定の時間から7~8分ほどの遅れで済んだのは、飛行機に搭乗することに対して今後の信頼感を与えてくれました。
さてその日の午前中は台風の影響でやや強い雨模様、持参した折りたたみ傘が有効でした。もちろん羽田空港からモノレール利用の浜松町まで、そして常磐線利用の松戸駅までは傘は不要でしたが、駅から外に出たら手放せません。
まだまだ雨が降っていましたが、まず松戸市で途中下車したのは予定通り。
松戸市の人口はお隣の市川市と並んで約48万人となっていて、柏市より6~7万人ほど多いのです。
ただ、松戸では荷物をロッカーに預けるほどの滞在時間ではないと思ったので、キャリーを引きながら傘をさして歩いたのですが、歩くのは難儀しました。
松戸駅構内で市内地図を手に入れたのですが、これが8折のA2サイズほどもあり手に持って歩くには全く不向きです。
観光案内地図は持って歩くことを前提にして、ひと目で市街地が分かるように地図を広げなくても片手で持ち歩けるように作るべきですね。
松戸駅を降りて、目の前の大型店舗のような複合ビルから駅周辺を見回したのですが、土地に余裕が無いのか駅周辺はせせこましいの一言です。
その建物の2階から見る限りでは道路も狭く、街や建物はゴチャゴチャ感がいっぱい。雨が降っていて歩きづらいこともあって、とても周辺を歩く気にはならずに30分も経たないうちにそそくさと松戸を離れました。
◆柏市【人口 約41万人】
3年前に船橋駅に降りた時も少し感じたのですが、東京に隣接する千葉県や埼玉県の都市は人口増に街の整備などが追い付いていない感覚を持つのは仕方がないことでしょうか。
松戸市駅前の雑々と凝縮された街並みの印象がまだ記憶に残っていて、もしかしたら柏市も似たり寄ったりのイメージかも知れんと思いながら、お昼過ぎ頃に柏駅に降り立ちました。
柏駅そのものは、東口・西口以外にも南口改札口があり、構内の広さもそれなりに人口に見合うようなサイズはありました。改札口を出ると2階広場があり、周囲を7~8階建ての商業ビルが囲んでいます。
そろそろ傘が不要になって来たので、柏市にいる間だけでもやっと荷物から解放されて駅のロッカーに預けられると思い、コンコースの売店のおばちゃんにコインロッカーの場所を尋ねました。
「ああ、それなら1階のタクシー乗り場の横にありますよ。」との返事。「タクシー乗り場が分からんのですが…。」
まあ階段を降りたら分かるやろうと思ったのも束の間、探し当てたロッカーはなんと老朽化の理由で閉鎖中。
柏駅とあろうものが老朽化したコインロッカーを取り替えないのか、と思ってもどうしようもない。40台くらいはあったのに使えない、もう1度ロッカーを探すのも面倒で、ましてやゆっくり預ける時間的な余裕はあまり残っていません。
と言うわけで、またしてもキャリーをゴロゴロ引いて駅周辺を彷徨。
そのキャリーを引いて食事処へ入店するのは少し気が引けましたが、幸いフロアが広めのお店に入れたので荷物を気にせずに昼食を摂れました。
ところで、東京というメガシティー周辺には30万人~50万人ほどの人口を抱える多くの都市があり、トータルすれば夥(おびただ)しい人口を数えています。私にとって「その街の特徴は何だろう」と自問すると、それを捉えることが容易ではないと感じます。
ディズニーランドを抱える浦安市のような自治体は別として、人口は多くても街々の個性を思いつかないのは自分にとってはどこか悔しさがあります。
私が無知なだけなのでしょうが、しかし私の思惑内には地方の都市なら人口40万人と言えば、かなりの確率で○○が有名とか△△が特徴的とか思い付くのですが…。
それは大阪市や名古屋市周辺でも似たり寄ったりで、特に東京都周辺ではより顕著です。千葉県で言えば、多くの人口を抱えていながらも私が街の特徴を理解出来ていない代表的な都市が市川市・松戸市・柏市など、加えて船橋市もそうかも知れません。
柏市に関して、せっかく訪れたのに申し訳ないようですが、もはや特筆するような感慨がないのは街に対する思い入れ(先入観)が少なかったからかも知れません。
どうせなら柏市役所まで見ようと思い15分ほど歩きましたが、どう見ても人口41万人の市役所にしてはショボいのです。
今更ながら感じてももう遅いのですが、それまでの自分の信条だった「人口の多寡による街歩き」の虚しさを感じてしまいました。
しかしそれでも帰路に予定した大宮駅周辺と川口市に立ち寄ることを変更しなかったのは、予定だったとは言え「自分の性(さが)」に嫌悪してしまいます。
とかなんとか思いながら、いよいよ今回の街歩きの本命である水戸市に向けて、柏駅から「特急ときわ67号」に乗車、約1時間で水戸駅に到着しました。
◆水戸市【人口 約27万人】
水戸市と聞いてまず思い出すのが、私の中では水戸黄門を差し置いて、江戸時代・幕末期の水戸藩校「弘道館」。その名称が佐賀藩の「弘道館」と相まって、親しみと共に何故かわずかな畏敬の念さえも抱きながらの訪問でした。
作品名:倫五さんの「ほんのちょこっと街ある記」23/柏・水戸 作家名:上野忠司