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端数報告5

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を持った〈優秀な犯罪者〉だったとしたら、松田刑事は四方修の言うように、「しまった」と思ったところでもう遅いことになってしまうだけではないか。
 
おれはそう思うね。そしてもし、大野刑事が加勢して、
 
「あなた、さっきベンチに座って何か貼ってましたよね?」
 
と言ったとしよう。でもやっぱり、
 
「はん? あれは肩が凝ったもんだからほぐしてたんだよ。体操だよ、体操」
 
とか言われるだけだろう。これに対して、
「嘘だ。何か貼っていた」
と言っても、
「じゃあ調べてみりゃいいだろ」
と返されるだけ。紙を貼っていたようにしていたのはただの見せかけだから、何も怖くないというわけ。
 
京都駅とはまるで状況が違うので、バンをかけてもそうなるだけ。ここでの〈F〉はレッド・ヘリング。敵の眼をひきつける囮であったわけなのだから、追ってはいけなかった、というのがおれの考えなのだが、今日はクリスマス・イブか。12月ももう終わりですね。つまり今年も終わりですが、来年はいい年になりますように。
 
作品名:端数報告5 作家名:島田信之