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小説アメリア・イヤハート事件

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また、『ターミネーター』という映画の中でも、未来人が現代にタイムスリップしてくる際に放電の火花が発生していた。間違いない。時間移動には、火花が起こるのだ。この二本の映画がそれを証明している。

ここまで読んできた読者には、ハリウッドがユダヤ人に陰で支配されているのは自明のことと思う。ユダヤ人は映画を通じて大衆を洗脳する謀略を進めている。サブリミナル広告によるコーラやポップコーンの売り上げ実験はご存知だろう。ユダヤ人は、あれの悪用を狙っているのだ。

しかし、ここでは裏目に出た。二本の異なる時間旅行映画で同様の現象が描写される──こんなことは、ユダヤ人が本物のタイムマシンの開発に成功したためとしか考えられないではないか。やつらは実物を手にしている。そのため事実の一端を、愚かにも映画の中に反映させてしまったのだ。

偏見を捨て、曇りのない眼で見つめることだ。そうすれば、やつらのどんなささいなミスも見逃すことはない。

   *

ううむ、『ターミネーター』まで……。次に出てくるのはなんだろう。『未来世紀ブラジル』かな?

ユダヤ人がタイムマシンを持っている。このトンデモンという作家、どうやらそれが言いたくて無理を承知で映画を引き合いに出したらしい。この文章を読む限り自分の書いていることを信じてるとしか思えない。

こういう本が、アメリカでは読まれていたのだ。本の内容以上に驚くべきことに、これを本気で受け取った読者がかなりいたという。キリスト教原理主義者や白人至上主義者の間で特に大人気で、シリーズ化もされている。マジな話、この本が売れたおかげでユダヤ人がタイムマシンを持ってると信じちゃった人間がアメリカに何万人もいると言うのだ。広いからなあ、アメリカ。

日本でも一部で噂されていた、と言うのもひとえにそのためだが、これじゃねえ……こんなんでマトモな謎解きになるのか? 超常現象で解決したりしないだろうな?

   *

心配は無用だ。この世に科学で解明できないことなどあるわけがない。この謎にも、必ず合理的な説明がつけられるはずだ。

   *

そんなこと言ってるけど、頼むぜ。

   *

まかせておけ。この島のどこかに謎を解く鍵があるに違いない。まずそれを探ることから始めよう。

   *

それは好きにすればいいが……日本兵がウヨウヨいる島の中をうろつくのか? 日本語だってこの主人公はわからんのだろうに。

   *

彼もその問題に気づいた。どうすればいいだろう?

――と、女の悲鳴が聞こえた。彼は振り向いて見た。アメリアか? いや、違った。日本の女だ。キモノを着て、独特の形に髪を結っている。

彼女は猿のような顔の日本兵どもに追いかけられていた。彼は吐き気を覚えた。まったく、なんて醜いやつらだ。

敵はふたりだ。ひとりはライフル、もうひとりはサムライの刀を振りまわしている。

彼は日本兵どもの前に躍り出た。こんなやつらを相手にするのに、弓もナイフも要らない。ゲンコツをひとりの顔に喰らわしてやる。刀を奪い、もうひとりの腹に突き立ててやった。

無様な兵達は、よろめきながら逃げていった。日本人はハラキリに慣れているので、腹に刀が刺さったくらいでは死なないのだ。

キモノの女が言う。「どうもありがとうございます」

英語だった。

彼は驚いた。「あなたは、わたしの国の言葉が話せるのですね」

   *

安易な展開だなー。猿だ醜いって、よくも言ってくれるけど、その女だって日本人だろ? 確かあんたの考えでは、日本人は太陽からやってきた太陽人なのでは?

   *

彼女は言う。「まあ、そんなことを言う人達がいるんですの?」

「いやいや。そういうタチの悪いやつも中にはいるということですよ。気にしてはいけません。わたしは、日本女性は世界一従順で、男に身を捧げるものだと聞いています」

「はい。それが日本の女が、何よりも守らなければならない美徳なのです」

   *

うーん、今どきのバカ女どもに聞かせて……いやいや、女性差別的発言をよくもしてくれるよなあ。けれどもその日本女性の鑑さんが、なんだってこんなところにいるんでしょうね?

   *

「はい。わたしは軍隊に無理矢理連れてこられたのです。わたしの父は科学者なのですが、あるとき軍が、父の研究に目をつけたのです。軍は父をこの島に監禁し、軍事研究を強要しました。父があくまで兵器の開発を拒んだために、わたしが連れてこられたのです。父に言うことを聞かせるために……」

「ううむ、それはひどい話だ。あなたのお父さんを救けねばならない」

「いいえ、父は死にました」

「なんですって!」

「父の研究は、既に完成しているのです。用済みになった父に、軍はハラキリを申しつけました。日本人はどんな理不尽な理由であっても、ハラキリを言い渡されたら切腹して死ぬのです」

「そんなクレイジーな。優秀な科学者をむざむざと死なせるなんて。あなたのお父さんは、どんな研究をしていたと言うのです」

「ああ、恐ろしい……」

彼女は思い出したように、恐怖に顔を歪ませた。

そのときだ。

「そこまでだ!」

鋭い声がした。突如として何十人もの日本兵が現れ、彼らふたりを取り巻いていた。

手に手に銃を構え、ふたりにピタリと向けている。キャタピラを鳴らして戦車が現れた。兵士達は声高に何かまくしたてるのだが、日本語なので何言ってるかわからない。どいつもこいつも、猿みたいな顔をしている。

「抵抗しない方が身のためだ」

と英語で言う声がした。日本兵の間から、真っ白いスーツの男が現れる。白人。それもユダヤ系だ。

「貴様は──!」と主人公。

「そうとも」と男は言った。「わたしは、世界征服を企む悪の秘密結社〈ワルモンダー〉の者だ」

   *