Evasion 2巻 和洋折衷『妖』幻想譚
リルを寝室に寝かせ、久居は一人、練習室にいた。
夜はもう随分と更けている。
カロッサも、既に眠っていた。
久居は一人静かに呼吸を整えると、慣れた仕草になるように、形作っていたそれを腰の左へと仕舞い込むように解いた。
(これなら……)
と、久居は高揚する心を抑えつつ思う。
思ったよりも時間はかかってしまったが、ようやく納得のゆく状態まで、実戦で使用できる段階まで、技を調えることができた。
(これなら、あの鬼にも応戦できるやも知れません!)
カロッサの教えにより、新たに手にした技術は、久居の胸に希望の火を灯した。
作品名:Evasion 2巻 和洋折衷『妖』幻想譚 作家名:弓屋 晶都