第四話 くらしの中で
その2
退院してからは教えられた通り、一日に四回の点眼をしなければいけないのでこのこともとても神経質になっていた。で、厚い紙をボードみたいにして、朝、昼、夕方、眠前の項目に点眼が終ると日時を書いて決して間違わないようにしている。
それと点眼薬の袋が三ツあるので一袋が終る毎にビニール袋に仕舞うように教えられたのでその通りにしている。今の所困っているのは目薬の差し方が上手にいかないのでその都度緊張している。
まだ風呂には入れず、洗顔洗髪もできず、出歩くこともできない。
読書は勿論のこと、テレビもパソコンも極力短時間にしているので、昼間することといえばたまに庭を歩いて写真を撮ることぐらいだ。
一昨日から首までのシャワーは良いと書いてあるのでさっと洗っている。ドライシャンプーを持って来てもらったがまだ使っていない。
娯楽はラジオに切り替えた。
目の刺激を極力減らす為だ。
作品名:第四話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子